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2009年3月18日(水)に開催された「2008年度後期第6回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告

 以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の第6回目が開催されました。

 ・日時 : 2009年3月18日(水) 18:30〜20:00
 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室
 ・講師 : 小島晋 (技術士(機械部門、総合技術監理部門))
 ・題目 : 「オール電化は省エネか?」

1. まず、オール電化の基本的な情報について説明しました。オール電化とは家庭の熱源において給湯器やガスレンジなどの火を使っていたものを、全て電気を使うようにした住宅のことです。最近の新築戸建注文住宅では約50%がオール電化といわれています。

2.オール電化住宅とした場合のメリット、デメリットについて、基本的な内容を説明しました。
 (1) エネルギー料金が安くなる。ガスの基本料金が不要となるためさらにお得。
 (2) 火を使わないので安全。
 (3) 室内空気の汚れがなく、手入れも簡単。
 (4) 機器代が高い。
 (5) 大量に湯を使用した場合、湯切れを起こすことがある。
 (6) 貯湯式のため熱ロスが大きい。
 (7) エネルギー供給時のCO2排出量は増えることが多く、特に電気温水器はCO2排出量が増加し地球温暖化防止に逆行する。

3.オール電化は省エネか? データに基づいて調べてみました。
 (1) 光熱費は安くなることが期待できる。(多くの場合安くなっている)
 (2) しかし、CO2排出量は必ずしも減少していない。特に電気温水器を使った場合はCO2排出量は増加する。
 (3) また機器代が高いことからペイバックは数年以上かかる。
 (4) 安全性は高くなり、大きなメリットと言える。
 (5) 実際に使用された方からデータを提供していただいたので、その分析も紹介しました。
 (6) 暖房方式について説明も行いました。

4.説明後の質疑応答では、発電で発生するCO2排出量のデータについての詳細な質問など、かなり専門的な内容もあり、発表者としても、とても参考となる内容となりました。ただ、発言がどうしても一部の人に偏ってしまいがちなので、参加者ができるだけ発言できるようにすれば、もっと多様な意見も出たのでと反省しています。(次回は配慮したい)

 参加者の皆さんからいただいた受講アンケートでも、「ほぼ内容が理解でき参考となった」「質疑応答が参考になった」などの回答があったので、また興味あるテーマでこの講座に参加したいと思います。




 2008年度の発表はこれで一区切りですが、2009年度も、毎月第3曜日になごや環境大学愛知県技術士会の講座を続けます。次回(2009年度前期第1回)は2009年4月15日(水)の18時30分からです。技術士(建設部門)の杉浦裕之氏による講演「みちのはなし(環境負荷低減への挑戦)」です。より多くの皆様のご参加をお待ちしております。

   (文責 小島晋)