2009年9月16日(水)に開催された「2009年度前期第6回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告 | |
以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の第6回目が開催されました。 ・日時 : 2009年9月16日(水) 18:30〜20:00 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室 ・講師 : 木村正彦 (技術士(建設部門)) ・題目 : レアメタル(稀少金属)の世界 − 都市鉱山の将来性 わが国は国土も狭く、また資源も少ないです。特に、埋蔵鉱物資源はほとんどない国です。以下に、私が現在捉えている資源問題を以下に示します。 ○鉱物 ベースメタル (鉄・銅など) レアメタル (今回の対象) ○エネルギー (石油・石炭・天然ガス・ウラン鉱石など) ○食糧 (米・麦・トウモロコシ・食肉・野菜・果実など) 今回、多くの資源問題の中で、「レアメタル」のお話をしました。「レアメタル」とは、(ニッケル)、アンチモン、チタン、タングステン、リチウムなどの金属のことです。いずれも埋蔵量が少ない、あるいは埋蔵量が多くても技術的・経済的に高純度の鉱石を取り出しづらいなどの理由から、流通量が少なく、希少性が高い資源です。しかし、わずかな量を加えるだけで素材の機能・性能を高められるという優れた特徴をもつことから、自動車やエレクトロニクス、航空・宇宙分野などの先端産業に用いられている、と定義されています。 発表当日は、以下の項目の手順で、「レアメタル」の世界を紹介しました。 ○レアメタルは儲かるか @資源問題からのレアメタルの位置づけとその定義 Aレアメタルの種類 Bレアメタルの生産と輸出入 (流通) Cレアメタルの活用と利用 D都市鉱山 〜 我が国の歩む方向性 以上のテーマについて私が約1時間お話をして、19時20分頃から40分間、参加者の皆さんと意見交換をしました。製造に対する質問・意見が多かったように思います。私の述べたかったことは、技術的なレアメタルの製造の過程ではなく、その流通や国際的な埋蔵状況など、レアメタルの利・活用についてです。ややもすると、技術士の方々は生産・製造のハードな部分に関心を持たれる人が多い感じです。しかし、これからのグローバルスタンダードの時代、流通・価格といったソフトの部分に注目してもらいたいと考えます。ハードな部分は資本・人手など企業ベースでないとなかなか手を出せない分野です。流通分野は比較的個人の技術士でも容易に手を染めることができる部分ですし、また技術的な詳しい人も少ない分野でもあります。今回、「レアメタル」を取り上げましたが、技術士の皆さんの思考(志向)の変換を望みたい次第です。やはり、『グラムいくら』の世界の方が儲かると思います。
これからも、毎月第3曜日になごや環境大学愛知県技術士会の講座を続けます。次回(後期第1回)は、2009年10月21日(水)の18時30分からです。技術士補(水産部門)の鈴木千賀氏による講演「海洋生物の多様性を守るために − 赤潮の話 −」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。 (文責 木村正彦) |