なごや環境大学共育講座に戻る

2010年11月17日(水)に開催された「2010年度後期第2回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告

 以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2010年度後期第2回目が開催されました。

 ・日時 : 2010年11月17日(水) 18:30〜20:00
 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室
 ・講師 : 跡部昌彦 (技術士(農業・総合技術監理部門)
 ・題目 : 食品期限表示を正しく理解して無駄な廃棄を減らそう


 この講座では3回目の登壇になります。2006年度の農林水産省調査によりますと、家庭で食べずに廃棄されてしまう食品は、使用量の3.7%にあたります。その内訳は、過剰除去が2.0%、食べ残しが1.0%、直接廃棄が0.7%です。今回は、直接廃棄の主要因となっている消費期限・賞味期限切れによる廃棄に着目し、(1) 法律などでは、食品期限表示(消費期限、賞味期限)をどのように規定しているのか? (2)食品メーカーでは、どのように食品期限を設定しているのか? (3)私たち消費者としては、食品期限表示のどんなことに気をつけなければいけないのか? の話を、まずさせていただきました。その(3)のところで、私が述べたことは次の5点でして、本講座で、皆様に言いたかったことです。

 a.消費期限・賞味期限の意味をよく理解しましょう。
 b.食品の品質は保存条件で変わるため、表示された消費期限・賞味期限は目安として考えましょう。
 c.スーパーマーケットなどで、牛乳など、棚の奥から賞味期限が先の商品を取り出すのは止めましょう。(期限が間近に迫った商品ばかりが売れ残り、廃棄されることになるかもしれない)
 d..食品メーカーは1.2〜1.5倍の余裕をみて期限表示をしているので、消費期限・賞味期限が過ぎても商品価値がなくなる訳ではないこと理解しましょう。(消費期限は腐敗の限界なので、過ぎたら一切ダメと言われるが、私はそうは思わない)
 e.自身の五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる)で確認する習慣をつけましょう。(消費期限を超えた商品で、腐っているかどうかは香りを嗅げばわかる)

 そして、「食品メーカーが、販売した後に返品された商品に、新たに賞味期限を記載して再出荷した」というような消費者をだますような事件が起きていることから、(4)として、表示された期限を過ぎた食品を販売してもよいのか? について法律と照らし合わせて説明しました。

 以上の話は65分で終わり、残り35分を参加者の皆様との討論と致しました。食品メーカーで研究開発に携わっている者として、新鮮で忌憚のないご意見は、たいへん勉強になりました。皆様からいただいたアンケー結果を点数化しますと、「講座全体の内容」「教え方、伝え方」「時間配分」は90点になりました。わかりやすい内容になるように工夫したかいがありました。ご参加、ありがとうございました。




 次回(2010年度後期第3回)は、2010年12月15日(水)の18時30分からです。技術士(機械部門)の田辺稔博氏による講演「航空機構造のお話 安全と環境問題はどうなってる?」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。

   (文責 跡部昌彦)