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2011年1月19日(水)に開催された「2010年度後期第4回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告

 以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2010年度後期第4回目が開催されました。

 ・日時 : 2011年1月19日(水) 18:30〜20:00
 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室
 ・講師 : 谷恵介 (技術士(衛生工学・総合技術監理部門)
 ・題目 : 冷暖房の歴史と地球環境


 受講者数20名と、多くの方々においでいただきました。受講された皆様、ありがとうございました。この講座では、次の4点について説明を行いました。

1. 資源枯渇による文明崩壊
 太平洋に浮かぶイースター島で起きた文明崩壊を紹介しました。

2. 暖房設備の歴史
 暖房の歴史は古く人類が火を起こすことを知った時から始まったと考えられています。わが国では奈良時代に火舎と呼ばれる日本最古の火鉢が登場し、室町時代には炬燵(こたつ)や行火(あんか)などの暖房器具が開発され、現在の暖房器具の原点となっています。わが国における暖房器具の変遷を紹介し、外国の例としてはローマのポンペイ遺跡、朝鮮半島のオンドル、ドイツのカッヘルオーヘンなどの暖房システムがあり、合わせて紹介しました。

3.冷凍機発明以前の冷房(空調)設備の歴史
 冷房の歴史は暖房に比べ新しく、本格的に普及したのは1950年以降です。冷凍機が発明される前は、日本の住まいは徒然草にあるように「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」とあり、開口部の多い非機密住宅が主流でした。氷を貯蔵する氷室、高床式倉庫、寝殿造、すだれなど、冷凍機発明前のわが国での自然環境に調和した住環境についての例を紹介しました。外国の例としては、古代エジプト、バクダットの住宅などを紹介しました。

4.冷凍機発明以後の冷房(空調)設備の歴史
 わが国における初期の冷凍機を利用した空調システムとして、農商務省中野蚕業試験所、三越呉服店演芸場、三井本館、第一生命ビルなどの空調システムを紹介しました。

 冷暖房の歴史を通じ、今後空調システムがどうあるべきかを考える機会を受講者の皆さんと共に得ることができ大変有意義であったと思っています。




 次回(2010年度後期第5回)は、2011年2月16日(水)の18時30分からです。技術士(電気電子部門)の岡井政彦氏による講演「鉄道における省エネルギー技術」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。

   (文責 谷 恵介)