2011年3月16日(水)に開催された「2010年度後期第6回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告 | |||
以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2010年度後期第6回目が開催されました。 ・日時 : 2011年3月16日(水) 18:30〜20:00 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室 ・講師 : 小島晋 (技術士(機械、総合技術監理部門)) ・題目 : スマートグリッドとは何か? 受講者数22名と、多くの方々においでいただきました。受講された皆様、ありがとうございました。今回は電力供給の次世代送信網として提案されているスマートグリッドについて現状を説明し、参加者の皆さんとディスカッションしました。また最後に東日本大震災についてもフリートーキングを行いました。 ●スマートグリッドは直訳すると、「賢い送電網」ですが、電力供給の次世代送信網として提案されており、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し最適化できる送電網と言われています。 しかしその定義はあいまいで、「スマート=賢い」が何を示すのか必ずしも明確ではないので、現在言われているスマートグリッドの内容、目的、と考え方を整理して説明しました。 スマートグリッドの目的は、 a)電力の安定供給 b)余剰・不足電力の需給調整 c)再生可能エネルギー利用と安定供給の両立 d)エネルギーの統合管理や利用状況を見える化し省エネを促進 と言われています。しかし、ともすれば話題性ばかりが先行しているように見受けられ、その技術内容が明確になっていないことや、投資費用負担の問題など解決すべき課題がまだまだ多いのが現状です。一時のファッションではない、次世代へのスマートグリッド技術やシステムの開発に地道に取り組むことが重要と考えます。 ●また、東日本大震災について、 1)被災地の復興をどのように進めたらよいか? 2)原発の安全性確保のためにどのような対策がさらに必要か? 3)今後発生が予測される東海沖地震の被害を最小にとどめるための地震対策 についても話し合いました。この大震災は第二次大戦後の最大の国家危機かもしれませんが、だからこそわれわれ専門技術者が被災地の復興と再生に大きな役割が果たせると思います。復興には何年かかるかわかりませんが、力を合わせて行きたいと思います。何年か後に、あの災害からよくここまで立ち直れたと言われるような復興を果たせるよう頑張っていきましょう。参加者から、「今の若者は苦労を知らずに育ってきており、たくましさに欠け、日本の将来が心配である。今回の被災地で救援活動を経験させることで心身ともに鍛えたい。」との意見がありました。 同感します。
参加された方々、貴重なご意見をありがとうございました。 2011年度も、毎月第3水曜日になごや環境大学愛知県技術士会の講座を続けます。次回(2011年度前期第1回)は、2011年4月20日(水)の18時30分からです。技術士(電気電子部門)の澤栗裕二氏による講演「人災を最小にする地震到来予知システムの実現に向けて」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。 (文責 小島晋) |