2011年8月17日(水)に開催された「2011年度前期第5回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告 | ||
以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2011年度前期第5回目が開催されました。 ・日時 : 2011年8月17日(水) 18:30〜20:00 ・場所 : なごやボランティア・NPOセンター 12階集会室 ・講師 : 犬丸 晋 (技術士(金属部門)) ・題目 : レアアース・メタルとは何か? 最近、新聞紙上やニュースで、レアメタル、レアアースが中国からの輸入制限により価格が急騰し、日本の自動車、通信機器、パソコン、テレビなどの先端産業が停滞するおそれがあると度々、報じられている。レアメタル、レアアースはよく耳にするが、どんなもので、どんな効果があり、どのような製品に具体的に使われるか、また、資源的に国はどのような対策をしているかについて、わかりやすく、スライドを使い説明させていただいた。 〔主な内容〕 1.レアメタル、レアアースとは、近く中の存在量がきわめて少ない(希少 ; rare)金属元素である。1980年代に通産省(当時)が47元素をレアメタルと定義した。そのうち、ScとYにLa属17元素をレアアースと定義した。 代表的なレアメタル : Li、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Zr、Mo、In、Pt、Bi、など30元素 代表的なレアアース : La、Ce、Nd、Dy、など17元素 2.産地が偏っている。 一番多く、安価に製錬できるのが中国である。日本はレアアースについて約91%を中国から輸入している。Ptはロシアや南アフリカなどに集中している。 3.これらの元素をごく微量に添加することにより、従来にない技術的効果が生まれる。 4.主な用途 : ハードディスクの研磨に酸化セリュウム(CeO)、デヂタルカメラのレンズに酸化ランタン(LaO)、液晶テレビにインジュウム(In)、強力磁石にネオジュウム(Nd)、デイプシュロシュウム(Zy)、など。 5.これから資源獲得国際間競争が激しくなる。廃品からのリサイクルが重要となる。都市鉱山といわれ、回収技術の開発が待たれる。 以上に対し、多くの質問と討論がなされた。講師にとって、逆に勉強になった。
次回(2011年度前期第6回)は、2011年9月21日(水)の18時30分からです。技術士(衛生工学部門)の行本正雄氏による講演「自動車リサイクルって何?」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。 (文責 犬丸 晋) |