2011年12月21日(水)に開催された「2011年度後期第3回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告 | ||
以下の通り、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2011年度後期第3回目が開催されました。 ・日時 : 2011年12月21日(水) 18:30〜20:00 ・場所 : 花車ビル北館 5階 大会議室 ・講師 : 下村勇一 (技術士(金属部門)) ・題目 : 私たちが原子力エネルギーを安全に享受できるための代価 受講者は29名、受講された皆さま、お忙しい中、参加していただきましてありがとうございました。 今回のテーマは、私たちが原子力で便利と安全を得ようとしてきたがそれは間違いであったことを認識するための講座でした。原子力エネルギーを安全に手にするためには、どれだけの代価を支払わねばならないのでしょうか? 今回の事故が再び切り返されないためにも、福島第一原子力発電所事故以来9カ月程の時間が経ち、原発事故の原因解明を政府の事故原因調査・検証委員会が進めています。中間報告が出る前にあたり、講師が原因を調べて見解を述べました。幾つかの「なぜ」を繰り返しながら突き詰めた挙句、根っこの部分に至りました。安全管理の重要さを理解しながらも危機が到来するのが現実的でないとし(安全神話に漬かった弊害)、現状に安住しがちな人間の本質的傾向にあります。日本的特徴とも言える安全管理には、実権ある権限をもった危機管理のプロがいないことが、このような事態を招いたとも言えます。原子力の歴史から安全管理の実態、知られていなかった事実、暮らしに密着した放射線利用、原発コストについて話を展開し、福島の事故の反省点につなげました。 残りの時間で活発な質問が多く出ました。アンケートの回答から、出席された方々の理由の殆どが講演テーマに関心があったと回答されたことに見られるように、原子力と安全の問題はとても興味深いテーマです。講師としては、このテーマを続けて調査研究し、第二話のお話ができることを希望しています。
これからも、毎月第3水曜日になごや環境大学愛知県技術士会の講座を続けます。次回(2011年後期第4回)は、2012年1月18日(水)の18時30分からです。技術士(金属部門)の浜井升平氏による講演「航空エンジン材料のお話」です。皆様ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。 (文責 下村勇一) |