2013年3月20日(水)に開催された「2012年度後期第6回 なごや環境大学愛知県技術士会講座」の報告 | ||
下記の要領で、なごや環境大学の愛知県技術士会講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2012年度前期後期第6回目が開催されました。 ・日時 : 2013年3月20日(水) 18:30〜20:00 ・場所 : 花車ビル北館6階 会議室 ・講師 : 村橋光臣 (技術士(上下水道、衛生工学部門)) ・題目 : 「環境を考えるための利き水(テイスティング」 当日は雨模様の祝日でしたが、12名の方に参加していただきました。 かつて、このように言われた時代があります。「日本人は、安全と水はタダだと思っている」と。しかし、昨今、セキュリティ会社が民間住宅の安全を担保するようになっていて、安全はコストがかかるものになっています。また、“水”をスーパーやコンビニで買って飲むことが当たり前にもなっていて、ジュース並にコストがかかります。この講座ではコストがかかる水について、環境を保全する立場から考察してみました。 なごや環境大学で、私が水にかかわる講座を担当するのは2回目です。初回は、上水処理と下水処理の両面から水について語りましたが、今回は飲水に焦点を当てて解説しました。 名古屋市や愛知県内の上水道施設について、水源池の場所や環境、また浄水場の仕組などについて説明し、それらが水道料金に反映されていることを了解していただきました。一方で、スーパーやコンビニに並ぶPETボトルの水について、外国を含む原産地について考察し、ボトリングの方法や運搬の手段を要因とする売値の背景を考えてみました。大まかに比較すれば、PETボトルの水の値段は、水道の蛇口から流れ出る飲料水の数百倍になっています。少し乱暴な言い方をすれば、ガソリン並の値段です。 講座の参加者に、4種類の水の味わいテストをしてもらいました。愛知県企業庁の水道水、富士山麓で詰められたPETボトル、フランス原産のPETボトル、理化学用の精製水。おいしいと感じた順によれば、水道水と富士山麓のPETボトルに差異はなく、フランス産PETボトル(硬度が高く日本人に馴染まない)と精製水((味も素っ気もない)は低い評価でした。 1980年代、全国各地の都市部の水道水はカビ臭や塩素消毒臭などにより、まずかった時期があります。現在ではおいしい水を供給するために様々な対策が取られ、水道水はおいしくなっています。そして、安い。 水にかかわる技術者として、日本の水道水への偏見を解消して、安全でおいしい水を安心して味わってもらいたいと考えています。
2013年度もなごや環境大学の愛知県技術士会講座を継続します。2013年度前期第1回は2013年4月17日(水)の18時30分から、花車ビル北館6階会議室での開催です。技術士(機械部門)の杉本漢三先生による講演「「第三のエコカー、第4世代のエコカーとは何でしょうか」です。ご参加いただきますようお願い申し上げます。 (文責 村橋光臣) |