2015年5月12日(火)に開催された「2015年度前期第2回 なごや環境大学 日本技術士会中部本部講座」の報告 | ||
下記の要領で、なごや環境大学の日本技術士会中部本部講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2015年度前期第2回目が開催されました。 ・日時 : 2015年5月12日(火) 18:30~20:00 ・場所 : 花車ビル北館6階 会議室 ・講師 : 川島和夫 (技術士(農業部門)) ・題目 : 「食料の安全確保を地球規模で考える - -特に農作物について -」 当日は季節外れの台風が接近する中、15名が参加され、農作物を中心とする食料の安全確保についてクイズ問題も交えて現状と課題を紹介し、参加者と一緒に考察することができました。 紹介した内容として、まず日本と世界の食料事情、農作物の生産に何が必要なのか、農産物の安全性、最後にこれから何を行う必要があるのかをお話ししました。食料自給率が先進国中で日本が異常に低い状態(39%)、日本農業の高齢化と耕作放棄地問題、世界での食料の需給がアンバランスになっている中、農作物を安全・安定して確保するために、耕種的・物理的・生物的・化学的な手段での保護が農作物に必要であり、特に化学農薬の果たす役割を作物の被害と除草作業の事例で説明しました。安全で安定的に食料確保することを把握のために、毒性(急性・慢性)と安全性について、日本人の最大の死因である癌を例に挙げて、普通の食べものが原因になる理由(偏食のリスク)を紹介しました。化学農薬に求められる安全性確保(農薬登録しくみ)をお話し、参加者のアンケート結果から化学農薬の安全性をよく理解することができたとのお声をいただきました。今後の課題として、食料自給率向上、地産地消、フードマイレージ、スローフード、食育などキーワードについて説明しました。参加者からフードマイレージは国単位か、昔は循環型農業で十分な収穫が取れたのでないか、銅系の重金属での防除などについてご質問をいただきました。 持続性のある社会形成に世界が向かっているとき、食料(水も含めて)が戦略物質になりつつある中、日本における安全な食料(特に農作物)の確保について問題提起しました。
次回(2015年度前期第3回)の日本技術士会中部本部講座は、2015年6月9日(火)の18時30分から、花車ビル北館6階会議室での開催です。技術士(建設部門)の鈴木朗様による講演「モッタイナイ精神を復活させる」になります。ご参加いただきますよう、お願い申し上げます。 (文責 川島和夫) |