2015年7月14日(火)に開催された「2015年度前期第4回 なごや環境大学 日本技術士会中部本部講座」の報告 | ||
下記の要領で、なごや環境大学の日本技術士会中部本部講座"「楽しく」「わかりやすく」「面白く」地球環境の将来を語り合う夕べ"の2015年度前期第4回目が開催されました。 ・日時 : 2015年7月14日(火) 18:30~20:00 ・場所 : 花車ビル北館6階 会議室 ・講師 : 吉川豊行 (技術士(機械部門)) ・題目 : 「『足尾鉱毒事件』と「『フクシマ』からみる環境保全における課題」 2011年3月11日に東日本を襲った大震災は、日本の環境に対して二つの脅威をもたらしました。一つは今まで日本の経済発展の原動力といわれて推進されてきた原子力発電所の過酷事故。もう一つは、あまり世間には知られていない栃木県日光市にある旧足尾銅山の鉱山施設として残る源五郎沢堆積場からの鉱毒流出事故です。明治から現代に至るまでの近世の歴史は技術の歴史とも云えます。この技術には、利益だけではなく弊害もあるという二面性が有り、今回の大震災がもたらしたのは、この技術の弊害・脆弱さを顕在化させたものであり、同時に多くの課題を私達(技術者・社会人)に突きつけました。 明治期を震撼させた足尾鉱毒事件と平成を震撼させた原子力発電所過酷事故。この二つの脅威には多くの共通点がみられます。二つの歴史とその背景を振り返り、それを把握することにより、技術者・社会人として過去を反省し、未来をより健全なものにするため、技術者・社会人としての意識を高めるための話題提供をさせていただきました。 とても暑い会場ではありましたが、出席していただいた方たちか、らいろいろ参考になるご意見をいただき、かえって講師の方が勉強になりました。私たちの次の世代の環境は今の私たちが考えなければなりません。このことは足尾銅山鉱毒事件が明確に示しております。個々の技術者・社会人の奮起を願ってやみません。
次回(2015年度前期第5回)の日本技術士会中部本部講座は、2015年9月15日(火)になります。8月はお休みですので、間違えないようにお願いします。18時30分から、花車ビル北館6階会議室での開催です。技術士(衛生工学部門)の行本正雄様による講演「低炭素社会実現のための3Rの役割」になります。ご参加いただきますよう、お願い申し上げます。 (文責 吉川豊行) |