断煙7周年
H.22.11.20

 もう直ぐ師走、今年も終りに近づいて来ましたが皆さんお元気にお過ごしでしょうか。
陶淵明の詩(雜詩其一)に「歳月人を待たず(歳月不待人)」と言う1節がありますが、やりたいこと、やらなければいけないことは山ほどあるのに、何もやらずに歳月だけがどんどん過ぎて行ってしまいます。この近況報告も歳を追う毎にまばらになってきてしまいました。
 でも、歳月が人を待たずどんどん過ぎていってくれることの良さと言うものもあるような気がします。私が何十年も吸い続けてきたタバコを止めて1年が経った日、この近況報告に「 タバコ記念日」 と題して断煙一周年の報告をさせていただいたことがありました。あれから6年、つまり断煙してまる7年が過ぎました。今、過ぎし7年間を振り返って見ると、歳月の経過をさほど感じることなく、いつの間にか7年が過ぎてしまったと言う感じです。
 でも、タバコを吸っていた当時の生活習慣を私の脳が忘れてしまったわけではありません。今でも数ヶ月に一度くらいはふっと喫煙への誘いが頭に浮かんでくることがあります。しかし、その誘惑も、ニコチン中毒の人がひたすらニコチンの補給を求める時のような激しい物ではなく、かっての生活習慣の記憶がふわっとソフトに甦ってくると言ったものです。不思議な物で、肉体と脳は、全くちがう反応をするようです。断煙して7年、私の体から完全にニコチンは消え、タバコの煙を嗅ぐと不快感を感じることさえあると言うのに、大脳は心地よい喫煙の思い出を脳裏に再現してくれるのです。私と一緒にタバコを止めた大病院の呼吸器科ドクターが「タバコを吸いたい気持ちは大脳が憶えているので一生消えませんよ」と言った言葉を思い出します。
 今になって思えば、私は、本当にいい時期にタバコを止めたと思います。私が断煙した頃を境に喫煙に対する世間の風当たりは激しくなる一方。受動喫煙防止を掲げた健康増進法が2003年に施行されました。この時点では、全面禁煙が有効だとしながらも分煙についても認めていました。しかし、2007年、世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約における「100%禁煙以外の措置では不完全」との指針を受け、分煙を廃止し全面禁煙の方針をより明確に示すに至りました。今年は、この禁煙の流れを錦の御旗にタバコの大幅な値上げが行われました。

健康増進法
第五章 第二節 受動喫煙の防止
第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 歳を追う毎に、喫煙できる場所は、どんどん狭められ、町の中では路上や公園でさえ禁煙のところが増えてきました。町内の会合でもタバコを吸う人は数えるほどしか居なくなり、最近では灰皿の用意もされなくなってきました。
 世の中の流れも然ることながら、あの時タバコを止めて本当に良かったとつくづく思います。断煙7年、お蔭様で呼吸機能は至極順調日々快適に過ごしています。

それでは、また!!!

近況報告目次へ