法戦式
 法戦式は、正式には首座法戦式といって、晋山式とは直接の関係は無い。晋山した住職は、これを機に結制と称して3ヶ月の修業僧堂を営むことになっている。一般的にはここで行われる仏法の問答を、法戦と言ったが、今では首座の力量を示す儀式となっている。参列した大衆(だいしゅ=修行僧のこと)から次々と問答が仕掛けられる。この法戦式を終えた僧侶は次ぎに瑞世といって本山の一日住職の儀式を勤め、最後の仕上げに晋山式を勤めることになる。もちろん、式さえすればいいというものではなく、それに見合った修業が必要なことは当然である。

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式の開始。まずは本尊様に開会の報告と安穏を祈ります。脇に立つのは焼香侍者を勤めていただいた春日寺宏道師。侍者とは秘書というくらいの意味だが実質は大先生。この人の指示に従って右往左往。
ha いみじくも私と同じ名前。そういえばあとで出てくる弁事のお父さんも弘道和尚。もう一人高道和尚がいた。みんな「こうどう」さんである。それぞれに意味がある。

首座和尚。

左に掛けてあるのは開口板といって禅宗開祖の達磨さんの故事が書いてある。

問答を始める前に首座は住職からシッペイという竹の杖を受ける。シッペイ返しという言葉の元になった道具である。

本来はたるんだ修行者を叩きのめす道具のようだが、侍の刀のような取り扱いをする。渡すときに「生半可に使うと大怪我をするぞ」というようなことを言う。真剣にやれよ。

さあかかって来いという挑発の文句。左側の小僧さんは弁事または開口闍梨といって先ほどの開口板を読上げ、問答の口火を切る。たいてい小学校低学年の子が勤める。日本語もたどたどしいくらいの子が必死で演じるので、ご婦人たちの人気は高い。カワイー。

この謙伸くんは幼稚園年長。

師僧に挨拶する首座。長いことお世話になりました。わがままばっかり言って申し訳ありませんといったかどうか・・・。