ここはロイドの義父、ドワーフのダイクの家である。

ダイク「おう、久しぶりだなロイド。コレット嬢ちゃんはどうした?一緒に旅してたんだろ?」
ロイド「それが…」

ロイドは事情を説明した。恋愛に疎くて今までコレットの気持ちに気づかなかったこと。コレットが怒ってイセリアへ帰ってしまったこと。

ダイク「しょうがねえやつだなあ、おめえは」
ロイド「俺、今までずっとコレットのこと一番大事にしてたんだ。二年前、一緒に旅を始めて、これからもずっと一緒だって思ってた。リフィル先生に言われたけど、結婚するならもちろんコレットだ。他の相手なんて考えられない。だけど俺、コレットの気持ち、ちゃんとわかってなかったみたいだ」
ダイク「おまえはドワーフの俺が男手一つで育てたからなあ。女心に疎くても無理もねえよ。だがロイド、結婚するなら本気でコレット嬢ちゃんを幸せにする気でいけよ」
ロイド「もちろんだ!今までコレットはたくさん辛い思いをしてきた。これからは俺がそんな目に遭わせるもんか!」
ダイク「おう、その意気だ。ロイド、プロポーズってのは男からするもんだ。行って来い。本気で好きな女に求婚するのは男にとって一世一代の賭けだ」

ロイドはイセリアへ向かった。そしてコレットの家を訪ねた。コレットの父フランクと祖母ファイドラに挨拶する。そしてコレットに会いに――
コレットはまだ怒っていた。そして拗ねていた。ロイドは落ち着いてコレットの元に行き、声をかけた。

ロイド「コレット、この間は悪かったな」
コレット「…ロイドのバカ」
ロイド「なあ、隣、いいか?」

ロイドはコレットの隣に座った。

ロイド「なあ、コレット。俺は昔からおまえのことが好きだったよ。誰よりも、一番。マナの神子だって言われてみんなおまえのことを敬遠してても、俺にはそんなの関係なかった。コレットはコレットだからな。おまえの再生の旅について行ってから、本当にいろんなことがあったよな。おまえは封印を解放するたびに人間の感覚を失って…俺はあの時、本気で悲しかった。心を失ったおまえをなんとしてでも助けてやりたいって、必死になった。おまえが心を取り戻しても、今度はなんとかっていうクルシスの輝石の病気になっちまうし…」
コレット「…うん…ロイドが必死になって私を助けようとしてくれたの、ちゃんとわかってるよ。とても嬉しかった」
ロイド「俺にとって一番大切なのはコレット、おまえだった。誰よりも一番、大事なんだよ。そして世界を統合して、全てが終わったらおまえと二人で旅に出た。おまえとはずっと、ずっと一緒にいたかった。おまえと一緒にいられるのは俺も嬉しいし、楽しかったんだよ」

コレットは初めは怒って拗ねていたが、今度は涙ぐみ始めた。

ロイド「でも俺、おまえの気持ちにちゃんと気づいていなかった。俺はゼロスと違って女心はよくわからない。おまえを怒らせちまったことはいくらでも謝るよ。そしてこれからは、おまえと新たな一歩を踏み出したいんだ。なあ、コレット、結婚しよう。今までの俺達は親友みたいなものだった。だけどこれからは違う。おまえと結婚して、一生ずっと、一緒にいたいんだ。いつまでも、ずっと。おまえは今までたくさん辛い目に遭ってきた。これからはそんな思いはさせたくないんだ!これからは――いや、これからもずっと俺がおまえのそばにいる。この先どんなことがあっても俺がおまえを支えてみせる!俺はおまえの笑顔が好きだ。いつも笑顔でいて欲しいんだ。俺は本気でおまえを幸せにしてやりたいと思う。コレット、結婚してくれ!不幸な目になんか遭わせるもんか!俺が――俺がおまえを世界で一番幸せな女にしてやる!
コレット「ロイド…!!!!!」

『俺がおまえを世界で一番幸せな女にしてやる』

コレットは感激した。恋焦がれている相手にこんな風にプロポーズされたら、女は誰でも幸せな気分でいっぱいになるだろう。今までマナの神子として不幸が度重なっただけに、コレットの感激は深い。コレットは今度は嬉し涙を浮かべた。そしてそんな彼女をロイドはしっかりと抱きしめた。

ロイド「コレット…結婚しよう」
コレット「うん…これからも、ずっと、ずっと一緒だね…!!」

二人はしっかりと抱き合った。いつまでも、いつまでも。





ロイドとコレットは晴れて結婚することになった。かつての仲間達は二人の結婚を祝う為に集まった。どこで式を挙げるかロイドに相談を持ちかける。ゼロスは華やかなメルトキオで、リーガルはアルタミラで式場を紹介してきた。しかしロイドは、やはり生まれ故郷であるイセリアで式を挙げることにした。
結婚式当日、これ以上ないくらい美しく着飾ったコレット。いつもは可愛らしい雰囲気の彼女だが、ウェディングドレスを着て化粧をした彼女は大人びて見えた。

ジーニアス「わー!コレット綺麗!」
コレット「ありがと。ジーニアス」

リフィル「コレット、お幸せにね。今後何か困ったことがあったらいつでも私達を頼るのよ」
コレット「はい、先生」

ゼロス「コレットちゃ~ん!今日の君はいつにも増してビューティーだね~。俺様惚れちゃいそう~」
しいな「ゼロス!手を出すんじゃないよ!」
ゼロス「わあ~ってるって!こんな綺麗なコレットちゃんに手を出したらさすがのロイド君も黙っちゃいないだろうよ!」
コレット「二人共ありがとう。しいなも綺麗だよ」
しいな「な、何言ってるんだよ。今日の主役はあんただろう?変なこと言わないでおくれよ」
ゼロス「しいな~今度は俺達も最高にラヴラヴで甘々な式を挙げようぜ~」
しいな「何言ってるんだよ!このバカ!」

ポカッ!


プレセア「コレットさん、ご結婚おめでとうございます。とても綺麗です」
コレット「ありがとう。プレセア。プレセアもいつかお嫁さんになれる日が来るといいね」
プレセア「私に…そんな人が現れるでしょうか?」
コレット「だいじょぶだよ。案外身近にいるかもね!」

リーガル「コレット、早速祝いの言葉を述べたいところだが、ロイドはどうしたのだ?」
コレット「あ、ロイドはね…」


一方ロイドは一人で空を見上げ、実の父親クラトスに思いを馳せていた。

ロイド(クラトス…父さん、俺、コレットと結婚することにしたよ。父さんが母さんを愛したように、いや、それに負けないくらい、俺はコレットを大切にする。コレットは俺にとって誰よりも大切な存在なんだ。コレットを誰よりも幸せにしてみせるよ)

そこへリーガルがやってきた。

リーガル「ロイド、父親への挨拶が終わったのなら花嫁のところへ行くがいい。新婦を放っておくものではないぞ」
ロイド「ああ、リーガル。わかってるよ」

ロイドはコレットの元へ向かった。そして思わずコレットの美しさに見惚れてしまった。コレットも頬を赤く染めて俯く。

ロイド「コレット…綺麗だよ」

ダイク「おい、ロイド、もう時間だぞ」
ロイド「あ、親父。コレット、行こうか」
コレット「うん」

イセリアでの二人の結婚式は盛大に行われた。イセリアの人間はみんな二人の結婚を祝福した。ロイドの仲間達もの他に、ロイドの義父ダイク、コレットの父フランク、祖母ファイドラも同じテーブルに集まり、積もる話をした。ロイドとコレットのそばにはノイシュもおり、二人の結婚を喜んでいるようだった。

コレット(ロイド…私、幸せだよ。私、世界で一番幸せな女だよ)

ロイドとコレットは人生の新たな一歩を踏み出した。二人で手を取り合って、これから先どんなことがあっても一緒に乗り越えていくと互いに誓った。
二人は確固たる絆の元、共に人生を歩み始める。





Happy End


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