※管理人はSFC版しかプレイしていません。公式カップリングは無視しています。






クロノは暗闇の中から意識を取り戻した。海底神殿でラヴォスに1人立ち向かい、そして…

後から仲間に聞かされたが、自分は1度死んだらしい。そして皆、自分を生き返らせる方法を探して奔走していたのだと。気がつくと目の前にルッカの顔があった。涙を浮かべている。死の山の頂上にて、ルッカはクロノに抱きついた。

ルッカ「あんたがいない間…すっごく大変だったんだから…マールがね…とっても…でも…私だって…ねえ、クロノったら!聞きなさいよ!ホントに…バカなんだから…」

その時、クロノは初めてルッカの気持ちに気づいたのだった。



あの時のルッカの顔は今でも忘れられない。しかしルッカの方は「あんまり女の子を泣かせんじゃないわよ」とだけ言っていつも通りの彼女に戻った。知的で、素直じゃなくて、時に高飛車で。それはクロノが知るいつものルッカの姿。



その後、クロノ達はラヴォスを倒し、未来を救った。これからは平和な日々を送ればいい。そんな矢先のことだった。



ルッカは家でララの手伝いをしていた。ララの足は元々不自由だったのが、ゲートのおかげで過去に遡り、助けることができたのだ。今では自由に歩いている。そして噂を耳にしたのだ。クロノとマールの結婚話が持ち上がっていると。その話を聞いた途端、ルッカは皿を落として割ってしまった。

ガシャーン!

ララ「ルッカ!大丈夫?」

ルッカはしばらく茫然としたままだった。



ララ「ルッカ、あなたはクロノ君が好きなの?」
ルッカ「お母さん…」
ララ「ルッカ、気を落とさないで。まだどうなるかわからないんだから」
ルッカ「クロノとマールはとても仲がいいもの。2人が結婚してもおかしくないわ」
ララ「あなたはそれでいいの?」
ルッカ「…………………………マールはとても可愛いしお姫様だし、私なんかよりマールを選ぶに決まってるわ。それにマールは大切なお友達よ。クロノとマールと私、3人仲良く今までやってきたの。その関係を壊したくないわ」
ララ「でもあなたがクロノ君を本当に好きなら、告白もしないうちにあきらめちゃダメよ。恋愛や結婚は女にとって何より大切なものだもの」
ルッカ「どうせ無理よ!」
ララ「ルッカ、落ち着いて」

ルッカとララ、2人の母子は女同士の会話をした。告白してもどうせ無理に決まっているというルッカをララは優しくなだめ、クロノに想いを告げるように諭した。

ララ「さあルッカ、行ってらっしゃい。落ち着いて、自信を持って。あなたにだって女性としての魅力はあるわよ」

ララに見送られ、ルッカはクロノの家に向かった。



クロノは今日も剣の稽古をしていた。ラヴォスとの戦いが終わったからといって怠けてはいない。元々武術は好きなのだ。
ふと、ルッカの気配に気がつく。

クロノ「ルッカ、どうしたんだ?」
ルッカ「さすがね。終わるまで邪魔しないように待っていようと思ったのにすぐに気配に気がつくんだもの」

クロノは剣の稽古を終えた。ルッカはタオルを差し出し、それをクロノが礼を言って受け取る。

クロノ「今日はどうしたんだ?」
ルッカ「クロノ……………」

なかなか肝心の要件を切り出せないルッカ。

ルッカ「ねえ、クロノ。マールと結婚するって本当?」

ルッカがそう言うとクロノは困った顔をして頭をかいた。

クロノ「どうしようか迷ってる。まだ決めてないんだ」
ルッカ「そ…そう………」

しばらく気まずい沈黙がおりる。クロノは何かを問いたげな目でルッカを見る。ルッカは振るえる手をぎゅっと握りしめた。そして意を決してクロノに向き直る。

ルッカ「それじゃあまだ私にもチャンスはあるのかしら?」

それを聞いてクロノははっとした表情になった。

クロノ「ルッカ!!」
ルッカ「クロノ、私、あなたのことが好きよ。バカで無鉄砲で無茶なことばっかりやる。でもそんなあなたが好き。…………………………ごめんなさい。マールのあなたのことが好きなのに。せっかく今まで3人仲良くやってきたのに、これじゃあ友情が壊れちゃうわね。でも、でもっ!私、それでもあなたが好きなの」

そう言うとルッカは走り去った。恥ずかしくて顔がほてり、緊張のあまり手には汗をかいている。クロノの返事を待つ勇気はなかった。





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