オニオンナイトとティナはクリスタル探索の旅に出る――





ティナ「クリスタル…ちゃんと見つけられるのかな。もし見つけても世界を救えなかったら――」
オニオンナイト「元気出してよ。僕がついてる。不安になったら僕を信じればいいよ」
ティナはにっこりと笑った。
ティナ「頼りにしてる」


オニオンナイト「ん?何か気配がする」
ティナ「あっ 見て、あそこ。何か隠れてるわ」
オニオンナイト「敵か?それとも――」

オニオンナイトが近づくと動物が飛び出してきた。

「ニャー!!」
オニオンナイト「うわっ!」
ティナ「猫?違う」
オニオンナイト「おまえは――ドーガの館にいたモーグリじゃないか!」
モーグリ「あっ あなたは光の四戦士の一人!」
オニオンナイト「どうしてこんなところに?」
モーグリ「助けて下さい。気づいたらこんなところにいて、どうやって元の場所に戻ればいいのかわからないんです。それにさっき人の形をしたものに襲われて、もう怖くて怖くて……」
オニオンナイト「偽りの兵士イミテーションだな」
ティナ「もう大丈夫よ。そんなに怖がらないで」

がたがた震えるモーグリをティナは安心させるように抱きしめた。

ティナ「可愛いわ。私モーグリ大好きなの」
オニオンナイト「ティナの世界にもモーグリはいるんだね」
モーグリ「ニャー」
ティナ「私の知ってるモーグリとは鳴き声が違うわね。猫かと思ったわ」
オニオンナイト「ティナの世界では何て鳴き声なの?」
ティナ「『クポー』って鳴くわ」
オニオンナイト「へえ〜そうなんだ。ねえ、このモーグリ、どうしたらいいだろう?元の世界へ帰す方法はないかな?」
ティナ「コスモスなら何か知ってると思うわ。会いに行きましょう」



オニオンナイトとティナは途中でもう一匹のモーグリを見つける。そのモーグリは槍を手にし、イミテーションと勇敢に戦っていた。

モーグリ「クポー!クポー!」
ティナ「モグ!あなたもここに!?」
モグ「ティナ!こいつら手強いクポー!」
オニオンナイトがイミテーションにとどめをさす。
オニオンナイト「知り合い?」
ティナ「ええ、そうよ。この子はモグ。私の仲間として元の世界では一緒に戦ったわ」
オニオンナイト「今度はティナの世界のモーグリか」

戦いを終えたモグはティナの方へ駆け寄ろうとする。
モグ「ティナ、一人で心細かったクポー……ガーン!!」
ティナは最初に出会ったモーグリを抱いてふかふかしていた。
ティナ「どうかしたの?」
モグ「そ、それはボクだけの特権だと思ってたクポー!」

やきもちを焼いたモグはもう一匹のモーグリに憤然と話しかける。
モグ「おいっ!おまえの名前は何だクポ!」
モーグリ「モルルです」
モグ「……ううっ 怒れないクポー」
ティナ「あら、モグの恋人と同じ名前なのね」
モルル「えっ そうなんですか?」
オニオンナイト「この世界に迷い込んだモーグリはもういないかな?」
モルル「イミテーションの敵から逃げている時、まだ見たような気がします。ただ、私も夢中で逃げていたのでどちらへいったかはわかりません」
オニオンナイト「探してみよう」


モグ「ボクも戦士だから一緒に戦うクポ!」
オニオンナイト「無理しなくていいよ」
モグ「馬鹿にしないでクポ!これでも立派な戦士クポ!」
モルル「ごめんなさい。私は戦闘能力は持っていません。あくまでもドーガ様にお使えするのが私の役目です」
ティナ「大丈夫よ。私達がちゃんと守ってあげるから」
モルル「ありがとうございます。何度も助けていただいて、何とお礼を言っていいか……」
モグ「……ボクより人間の言葉が流暢だクポー」
モルル「私は大魔道師ドーガ様から人間の言葉を教わったのです」
モグ「うらやましいクポー」



オニオンナイト「あっ!あそこ!ガーランドがいる!」
モーグリ「クポー!クポー!」
オニオンナイト「モーグリだ!……あれって、生贄の儀式に見えるけど……」
ティナ「大変!助けなきゃ!」

ガーランド「むっ おまえ達は!」
モーグリ「クポー!クポー!」
ガーランド「待て!逃がさんぞ!!」
オニオンナイト「やめろっ!」
ガーランド「邪魔をするならおまえ達も消し去るのみだ!!」
オニオンナイト「やれるものならやってみろ!!」
ガーランド「女子供だろうと容赦せんぞ!喰らえ!竜巻!たあーっ!」
モルル「ニャー!!」
モグ「クポー!!」
オニオンナイト「モグ達は下がってるんだ!行くぞー!それーっ!」
ガーランド「させるかっ」
ティナ「フラッド!」
ガーランド「見切ったわ!」
オニオンナイト「よーし、これならどうだ!集え、星達!プチメテオ!」
ティナ「トルネド!」
ガーランド「ぐうっ……これで終わると思うな!」

モーグリ「クポークポポポクポ!」
モグ「このモーグリは人間の言葉は話せないクポ。助けてくれてありがとうと言ってるクポ」
オニオンナイト「これで全部だろうか?」
ティナ「――!!見て!コスモスが!」
コスモス「オニオンナイト、ティナ、よくぞモーグリ達を救ってくれました。この子達は偶然この世界に紛れ込んでしまったのです。私達の戦いとは何の関係もありません。元の世界に帰すことにします」
オニオンナイト「そうか。これで安心だ」
ティナ「それではお別れね」
モルル「オニオンナイト、元の世界で残りの三人の戦士と一緒に待っていますよ。御武運をお祈りします」
オニオンナイト「ありがとう。モルルも元気でね!」
モグ「ティナ、ボクは先に元の世界に帰って、ロック達と一緒に待ってるクポ!無事に帰って来てクポ!」
ティナ「私は大丈夫よ。がんばるから、モグも元気にね!」
モーグリ「クポー」



モーグリ達はコスモスに導かれ、元の世界へと帰っていった。

コスモス「二人とも、お世話をかけました。それではクリスタル探求の旅に戻って下さい。信じていますよ。あなた達が無事クリスタルを手に入れられるのを――」
コスモスは去っていった。



オニオンナイト「それじゃあ旅を続けよう!」


次の話へ

二次創作TOPへ戻る