ミストの村に着いたエッジは、覚悟を決めてリディアの元へ向かった。
エッジ「よ、よう!リディア」
リディア「あ、エッジ。エブラーナ四人衆の人達から話は聞いたよ。私達、誤解されちゃったんだってね」
エッジ「なっ!?あいつら勝手なことしやがって!」
リディア「エッジから私にはいろいろと言いづらいんじゃないかって、気を利かせてくれたのよ。それに私だって考える時間がいるわ」
エッジ「うっ…」
リディア「まずは入って。あなたと話し合いたいの」
リディアはエッジを家の中へ入れるとお茶を出した。クオレは昼寝をしている。
リディアはこの間、思ったことを正直に話した。たまにエブラーナに遊びに行くだけなら全然構わない。だが、エッジと結婚となると、エブラーナ王妃になって、ミストの村からエブラーナに引っ越して、ずっと住むということになる。そこでリディアの気持ちは止まってしまったのだ。
エッジ「ってことは、リディアは俺の嫁になってもいいと思ってるのか?」
リディア「う~ん……」
考え込んでいる様子のリディア。エッジはここでお互いの気持ちをはっきりさせなければならないと思った。本気でリディアが好きならここで引くわけにはいかない。
リディア「私がエブラーナ王妃になったとして、国の人達は私を受け入れてくれるの?」
エッジ「それは大丈夫だ。この間の夏祭りで民衆は俺達を見ている。国の大臣達も民衆もおまえが王妃になることに反対するやつはいない。俺もいい加減結婚しろって言われちまってなあ」
リディア「エブラーナは独特の文化が強い国でしょう?私みたいに他の国の人間が王妃になってもいいの?」
エッジ「…ああ、そういうことを気にしてたのか。今のエブラーナは復興している最中だからな。どうしてもこうでなきゃダメだ!っていう決まりがあるわけじゃない。昔ながらのやり方をかたくなに続けるとか、そういうんじゃねえんだよ。これから新しいやり方で変わろうと思えばいくらでも変われるんだ」
リディア「へえ、そうなの」
リディアはしばらく考えていた。
リディア「じゃあ私がエブラーナ王妃になっても、クオレも何らかの形で受け入れてもらえるのね」
エッジ「ああ、おまえが俺と結婚してくれるなら俺は何でもする。もちろんクオレのことだってどうするかちゃんと考えるさ」
リディア「……………」
何やら考え込んでいる様子のリディア。
エッジ「…なあ、リディア、さっきも聞いたけどよ、俺と結婚することについて、おまえはどう思ってるんだ?」
リディア「……………私もいろいろ考えたの。このままずっとミストの村にいる自分。将来どうなってるのかなって。…今まで、このミストの村の男の人から告白されたこと、何回かあるの」
エッジ「な、何だって!」
リディア「どうしても気が乗らなくて、みんな断っちゃった………このままずっとミストの村にいるなら、いずれは村の男の人の誰かと結婚するってことになるのかなって、その可能性も考えたけど、なんだか全然気が乗らないの。このままクオレと一緒に暮らして一生独身かなって」
エッジ「な、何だとおおおおおーーーーー!!!!!おまえみたいないい女が一生独り身なんて、それくらいなら俺がかっさらうぞ!」
リディア「じゃあ、かっさらって」
エッジ「へ?」
リディア「その代わり、私とクオレをうーんと大事にしてね!」
一瞬、固まるエッジ。その後、リディアが言ったことをはっきりと自覚すると、エッジは勢いよくリディアの手を握った。
エッジ「リディア、おおお俺と結婚してくれるのか!」
リディア「うん!私とクオレをちゃんと幸せにしてね!」
エッジ「ももももちろんだああああーーーーー!!!!!」
リディア「エッジとなら楽しく暮らせそうだもん。私、エッジとなら結婚したい」
エッジ「……!!」
エッジは天にも昇る気持ちだった。
エッジ「リ~ディ~ア~~~~~!!!!!」
エッジはリディアを思いっきり抱きしめた。
リディア「エッジ、だ~い好き!」
リディアの方からも抱きついてきた。
エッジ(……!!幸せ過ぎて死ぬ)
バタッ
リディア「エッジ!?」
エッジ「おまえと結婚…本当に…幸せ過ぎて死ぬ…」
リディア「もう、エッジったら」
エッジとリディアは正式に結婚することになった。エッジは気合いを入れて結婚式を洋式と和式両方やることにした。洋式と和式、どちらのリディアの花嫁姿も見てみたかったのである。
結婚式にはかつての仲間達が祝いにきた。クオレを隠し子だと誤解された件についてはみんな笑っていた。
そして、結婚式には幻獣王夫妻も祝いに来た。
幻獣王「エッジ君、リディア、夫婦のことで何か悩むことがあったら遠慮無くわしらに相談しなさい」
アスラ「ええ、そうよ。私達は年長者として相談に乗れるわ」
幻獣王「聞けばエッジ君の両親は既に亡くなられているそうではないか。わしらを親だと思って、何かあればいつでも頼りなさい」
エッジ「は、はい」
エッジは戸惑いながらも返事をした。幻獣夫妻にとってはリディアは実の子も同然。エッジとリディアのことは我が子のように思ってくれているようだ。
リディアは純粋に嬉しそうだった。
リディア「これからは幻獣王様達は時々このエブラーナに来てくれるのね」
エッジ「へっ?」
すると、幻界の幻獣達がたくさん現れてエッジとリディアの結婚式を祝いに来た。
「リディアー!結婚したんだって?おめでとうー!」
「わーい!リディアー!とっても綺麗だよー!」
「おめでとう!おめでとう!」
リディア「ありがとう!みんな!」
エッジ(う~ん…これからはエブラーナに時々幻獣達がやってくることになるのか…なんかエブラーナは今まで以上に独特の文化になっていきそうだな…)
エッジは戸惑いつつも、幻獣達を受け入れた。
結婚式はかつての仲間達と幻獣達、たくさんの祝い客が来た。式は盛大に行われた。クオレは初めての結婚式にはしゃいでいた。
エッジとリディアは結婚し、クオレを養女にし、新たな人生を歩み始めた。
クオレは新しく始まった生活にわくわくして、毎日が楽しそうだった。
リディアも毎日楽しく暮らしていた。
エッジはリディアにメロメロ状態になりながらも、リディアとクオレと共に幸せな毎日を過ごした。
Happy End
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