エドガーとティナの結婚式は厳粛に行われた。そして、盛大な披露宴が開かれた。招かれた客はご馳走を食べながらも新郎新婦を祝福し、社交を行う。かつての仲間達はそれぞれ会話をして楽しんでいた。モブリズの子供達やガウ、ウーマロはご馳走を夢中になって食べていた。
マッシュ「あ!コラ、ガウ!パスタは手で食べるものじゃない!!」
ガウ「ガウ」
ロック「パ、パスタを手づかみでー!?」
ガウの手のひらにはミートソースがべっとりとついていた。
マッシュ「しょうがないやつだな…ホラ、手を拭いて…これからはサンドイッチとか、最初から手で食べるものだけにしろ!」
ガウ「ガウー!」
モグ「ガウもこっち来るクポ!ウーマロと一緒に手でいっぱいご馳走食べるクポ!」
ガウ「ガウ!」
ガウは嬉しそうにモグとウーマロの元へ行った。
セリス「マッシュ、ガウのお守も大変そうね」
マッシュ「全くだ。あいつにもそろそろ人の世で生活することを学ばせなきゃな」
リルム「ティナーあんまり動かないでねーティナの花嫁姿は今までの中でも最高傑作にするつもりだから!」
ティナ「リルム、嬉しいわ。でも、久しぶりに会ったんだし、他のみんなの絵も描いてあげてね」
リルム「もっちろん!」
そう言いながらもティナの表情は徐々に曇っていった。
エドガー「ティナ?」
ティナ「ゴゴはいつになったらくるのかしら?…もしかして私達の結婚を祝福してくれないのかしら?」
その時であった。
何を言っているんだいベイベ〜!!
道化の様な恰好をしたゴゴが天井から降って来た。
ゴゴ「Hey!ティナ!結婚おめでとう!」
そう言うとゴゴは一輪の薔薇をティナに渡した。
ティナ「ゴゴ!来てくれたのね!遅かったじゃない!」
ゴゴ「悪い悪い。シャドウの分まで祝ってやろうと思ってな。見てろ!忍法分身の術!」
するとゴゴが8人、エドガーとティナの周りを囲んだ。そして八方からクラッカーを鳴らす。
パーン パパーン
「キャーすご〜い!」
モブリズの子供達が驚いてやってきた。その後、ゴゴは様々な手品や芸を見せ、披露宴の場は一気に盛り上がった。モグも一緒になって踊りを始めた。
ティナ「ゴゴ、すごいじゃない!私達の為に、本当にありがとう!」
ゴゴ「長年ものまねをしてきた俺にとっちゃこんなの朝飯前さ!パーティーを盛り上げたければこのものまね師ゴゴにお任せを!」
かくして、エドガーとティナの結婚式は盛大に行われたのであった。その後のエドガーは、今までの女好きが嘘のようにティナのみを愛し続けた。時折、昔の癖が出て若い侍女を口説こうとする時があったが、その時は必ず、
喝ーーーーっ!!!!!
という怒声がどこからともなく聞こえてきた。その正体を知るのはティナのみであった。
エドガーはティナと結婚して初めて幸福感に満たされた。国王としての孤独も苦悩も、ティナは優しく包み込むように癒してくれた。エドガーはもう孤独ではなかった。自らの命より大切な伴侶を得たのだから。
ティナはエドガーと結婚して新たな『愛』に芽生えた。形だけの色事に通じていたエドガーと無垢で何も知らなかったティナ。夫婦として結ばれた2人は2人だけの愛を築く。政略結婚などでは決して築くことのできない真の愛を。
リルムが描いた2人の絵は綺麗に額に入れて部屋に飾ってある。
Happy End
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