今から3年前、セフィロスを倒し、メテオを阻止したクラウド達。
それで一時は世界が平和になったと思われた。

大都市ミッドガルが破壊された後、ミッドガルに寄り添う形で新しくエッジという街ができた。
そこで、クラウドはティファとバレットの娘マリン、そして孤児のデンゼルを拾って4人で暮らしていた。
クラウドはストライフ・デリバリー・サービスという運び屋をし、ティファは元々ミッドガル七番街スラムにあったバーと同じ名前のセブンスヘブンというお店を開いていた。バレットは魔晄に代わる新たなエネルギー源を探しに出かけており、マリンはクラウドとティファの元へあずけられることになった。
デンゼルはクラウドがエアリスの教会の近くで拾った少年である。

4人は家族のように仲良く暮らしていた。
しかし、星痕症候群という病気が流行り、一時セフィロス復活の危機が迫った。クラウドはかつての仲間達と共に戦い、最終的には一時復活したセフィロスと一騎打ちし、見事打ち勝った。
これで再び世界に平和が訪れたかと思いきや、その1年後には、神羅ビルの地下からディープグラウンドソルジャーという謎の兵士達がまたもや世界を危機に陥れた。この敵に対抗する特別な力を持っていたのはヴィンセントで、今度は彼が中心になって3つたび世界を危機から救った。

晴れて世界に平和が訪れた。エッジの町から一時避難していたマリンやデンゼル達も元の家に帰り、再びクラウド、ティファ、マリン、デンゼルの4人暮らしが始まった。



デンゼル「ふう〜一時はどうなることかと思ったけど、無事平和になったね」
マリン「メテオが空から降ってくる時から考えるとこれで3回目だよ。この星ってなかなか平和にならないね。まだ何か出てくるんじゃないかと思うくらい」
クラウド「大丈夫だ。もしまたこの星を脅かそうとする奴らが現れても俺やティファ、他の仲間達で全力で阻止するさ」

クラウドは子供達を安心させるような、優しい口調で言った。

ティファ(…クラウドもだいぶ変わったよね…以前はあんなに優しいしゃべり方することなかったのに)

ティファは側でクラウドとマリン達の会話を黙って聞いていた。





その夜――

ティファ「ねえ、クラウド、ヴィンセントが無事でよかったね」
クラウド「ああ、そうだな」
ティファ「本当に、もう、誰かさんと同じように、いなくなって、留守電入れてもなかなか連絡とれないんだもん」
クラウド「…あの時は本当にすまなかった。もうこれからは黙って出て行ったりしない」
ティファ「ううん、それはもういいの。現にクラウドはこうやって帰って来てくれたし。ヴィンセントだって…」
クラウド「もし今後も何か起きても俺達で乗り越えていこう」

そう言うと、クラウドはティファに近づいた。ティファは思わず赤面し、うつむいてしまった。

クラウド「あ…いや…その…俺は明日早いからそろそろ寝る」
ティファ「そ、そうね。お休みなさい」
クラウド「ああ、お休み」





そんな日々が続いたある日のことである。シドとバレットが店に訪ねてきた。マリンは久しぶりにバレットに会えて嬉しそうだった。

ティファ「2人共、今日はどうしたの?」
シド「いやあ〜その、なんだ、アレだ!」
ティファ「『アレ』じゃわからないわよ!」
シド「とにかくクラウドはいるか?」
ティファ「ええ、今日は仕事休みよ」
シド「アイツにちょいと用があって来たんだけどよお」
ティファ「わかった。呼んでくるわ」



クラウド「バレットにシド、今日は俺に用だと聞いたが、何だ?」

がしっ がしっ

クラウドは両脇からシドとバレットに肩をつかまれた。

クラウド「!?」
シド「よお〜クラウド、ちょっくら男同士で話し合おうじゃねえか、なあ、バレット」
バレット「おう!いい加減はっきりしてもらわねえとな!」
クラウド「何の話だ?」
シド「ついてくりゃわかる」

そうやって、クラウドは拉致されていった。



クラウドが拉致されたのはエッジにある、とあるバーだった。

シド「よお、クラウド、今夜は男同士たっぷり飲み明かそうじゃねえか」
クラウド「ちょっと待て。ティファ達に連絡してない」
バレット「じゃあ酒が来るまでに電話しとけよ」



クラウド「それで、2人共俺に何の用なんだ?」
シド「何って、そりゃ決まってんだろ!ティファのことだよ!
クラウド「ティファ?」
シド「とぼけやがって。(げしっ)おい、本当のとこはどうなんだ。おまえらの仲はどこまで進んでるんだよ?」
クラウド「どこまでって、見ての通り、家族同然に一緒に暮らしてる」
バレット「それで?いつ結婚するんだ?」
クラウド「結婚?」

すると、バレットは眉をつりあげた。

バレット「おい、まさか一緒に暮らして、一緒の部屋で寝て、それでいて結婚しねえつもりじゃねえだろうな?」
クラウド「いや、そんなことはない。ティファとはいつかは結婚したいと思っている」
シド「いつかっていつだよ!おまえら一緒に暮らし始めてもう3年経つぜ?もうそろそろ、そういうこともちゃんとすべきなんじゃねえのか?」
クラウド「そうだな…考えておく」
シド「考えておく、じゃねえよ!ったくおまえさんって奴はよ!」
バレット「おまえら両想いなんだろ?いい加減くっついちまえよ!見ていてじれったいぜ!」
クラウド「……………」

すると、シドとバレットはクラウドに詰め寄って来た。そして声をひそめて話しかけてくる。

シド「おい、それで…?どこまで進んでるんだ?」
クラウド「さっき言った通りだ」
バレット「そうじゃなくてよ!おまえら一緒の部屋で寝てるだろ?」
クラウド「ああ」
シド「だから!そういう関係にも当然なってるんだろ?」
クラウド「…いや…」

シド・バレット「ああ!?

シド「ま、まさかおまえ、3年も一緒に暮らして、同じ部屋で寝て、1回もやってねえっていうんじゃねえだろうな?」
クラウド「…そうだ…」

その後シドとバレットは盛大に驚き、しばらく開いた口がふさがらなかった。

シド「おまえ、それでも男かっ!(げしっ)」
バレット「ティファだっておまえのことが好きなんだ。もちろんそれはわかってるだろうな?(バキッ)」
クラウド「…ああ…」
シド「おいおいおい!それじゃキスくらいはしたんだろ?」

するとクラウドはもじもじとしてつぶやいた。

クラウド「…いや…ティファは恥ずかしがってなかなかさせてくれない」

シド・バレット「はああああああ!?

シド「ちょ…ちょっと待ておまえら…3年前のセフィロスとの決戦前夜、2人きりだったろ?その時はどうだったんだよ?」

クラウドはみるみると赤くなった。

クラウド「…初めてお互い身を寄せ合って寝た…」
バレット「その時一緒に寝たんならなんでその後もやらねえんだよ?」
クラウド「…いや…だから俺とティファはまだそういう関係にはなっていないんだ」


ア・ホ・か!!!!!


ドカバキドゴッ


クラウド「な、何をするんだ2人共!」
シド「ったくおまえには心底呆れた!奥手にもほどがあるぜ!いいか?男は押して押して押しまくれ!ちょっとぐらい強引にいけばいいんだよ!」
バレット「そうだそうだ!ティファだって恥ずかしがってるだけで嫌がってるわけじゃねえはずだぜ!」
クラウド「…それはそうなんだが…なかなかきっかけができなくて…」

バキッ

シド「アホッ!そんなもん男の方から作るんだよ!」
バレット「長年の付き合いだが、ティファは奥手な女だ。おまえの方からいかねえといつまで経ってもそのままだぜ?」
クラウド「……………」
バレット「それによお、たまにマリンに会いにおまえらの家に行ってるけどよお、セブンスヘブンに来てる客の中でティファに気がある男はごまんといるぜ。それ、わかってんだろうな?」
クラウド「ああ、気づいている」
バレット「だったらそれこそさっさと結婚しちまえよ!そうしねえと他の男に取られちまうぜ!」
クラウド「わかった。仲間の忠告として聞いておく」

その後クラウドはシドとバレットに女の落とし方だの自分の時はああだったのこうだったのと、体験話を一晩中聞かされるハメになったのであった。





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