クラウドがシドとバレットに拉致されていった後、ティファはユフィの訪問を受けていた。

ティファ「ユフィ、ヴィンセントが無事でよかったわよね、ホント」
ユフィ「そうだね。今回はアタシもけっこう大活躍したんだよ〜でもいいとこはヴィンセントに取られちまったけどね」
ティファ「ユフィは相変わらずね」
ユフィ「ティファだってそうじゃん、いつまでクラウドと同棲してるつもり?」
ティファ「……………」
ユフィ「…あのさ、ティファ、女同士、ここだけの話だけどサ、アンタ、クラウドと結婚したいんでしょ?」
ティファ「……………」
ユフィ「何で黙ってるのサ!もう、じれったいなあ!アタシだったら好きな男ができたら自分からアタックしていくけどなあ」
ティファ「…私…幸せになってもいいのかしら…」
ユフィ「はあ?何辛気臭いこと言ってんのサ!」
ティファ「だって、私は今までアバランチとしてたくさんの人を…」
ユフィ「そんなこと今さら気にする人なんて誰もいないよ!神羅だって散々酷いことやってたし、アンタ達がやってたことを全部否定できるヤツなんていやしないサ!」
ティファ「そう…そうね…でも、私…」
ユフィ「何?何でそんなに『自分は幸せになっちゃいけない』だなんて思いこんじゃうワケ?」
ティファ「……………」

ティファはしばらく黙っていた。

ティファ「……………エアリス……………」
ユフィ「エアリス?」
ティファ「うん、エアリスもクラウドのこと好きだったから…」
ユフィ「…だけどエアリスはもう星に還っちゃったんだよ」
ティファ「うん、そうなんだけど…エアリスがあんなことになっちゃったのに、友達であると同時に恋のライバルでもあったエアリスをさしおいて自分がクラウドと結ばれるなんて…」
ユフィ「何ゴチャゴチャと考えてるのサ!」
ティファ「だって…もし今でもエアリスが生きていたなら、クラウドはエアリスを選んだんじゃないかなって、そう思って…」
ユフィ「ティファのバカッ!そんなこと悶々と考えてて、いつまで経ってもただクラウドの側にいるだけなんて、そんなのエアリスも喜ばないよ!さっぱりした性格のエアリスのことだもん、クラウドとティファが結婚したってライフストリームの中から喜んで祝福してくれるよ!」
ティファ「……………」
ユフィ「アタシだったら好きな男ができて、その男が奥手だったら自分からどんどんアタックしていくけどなあ。だってそうしないと自分の幸せがつかめないじゃん」
ティファ「…そうだけど…」
ユフィ「ティファ、たまにはあんたの方からいってみなよ。自分からキスするとか」
ティファ「キ、キス…!!」
ユフィ「何真っ赤になってんのサ。別にそういう雰囲気だなって思った時にすればいいんだよ」
ティファ「そ、そんなこと…!」
ユフィ「別に口でなくてもいいじゃん。ほっぺにチュ!でもいいからサ。ティファ、これからはちょっと自分から動いてみなよ。クラウドはああいう奴だし、自分からいかないといつまで経っても関係が進展しないよ」
ティファ「そ、そうね…考えとくわ…」



その後、シドとバレットとユフィの3人が飛空挺に集まった。

ユフィ「で?そっちの方はどうだったのサ?」
シド・バレット「……………」
ユフィ「?どうしたの?」


あの大馬鹿野郎ーーーーー!!!!!


ユフィ「うるさ〜い!2人して大声で怒鳴るなよ!つまりクラウドもティファも端から見ててすっごくじれったい状態だってことでしょ!」
シド「まあ全部要約すればそうなる」
バレット「余計なお節介かもしれねえけどよお、あいつら2人共奥手だろ?こりゃ周りの人間が背中押してやんねえといつまで経ってもあのまんまだぜ」
ユフィ「これはナナキやリーブにも相談だね。ヴィンセントは…役に立つかなあ?」
シド「とにかく他の仲間を集めて作戦会議だ!」





シドとバレットと一晩飲み明かしてから帰ったクラウドとユフィにいろいろ言われた後のティファはお互い顔を合わせると、ひどくぎくしゃくしたやりとりばかりしていた。

ティファ「ク、クラウドお帰りなさい」
クラウド「あ、ああ、ティファ、今、帰った」


ティファ、たまにはあんたの方からいってみなよ。自分からキスするとかほっぺにチュ!でもいいからサ!


ティファ「ね、ねえ!クラウド!」
クラウド「な、何だ?」
ティファ「あ、あの…」

ほっぺにキス――
キス――
キ――

ティファ「や、やっぱりできないっっっっっ!!!!!」
クラウド「何がだ」
ティファ「な、何でもないのよ!本っ当になんでもないから!!!!!」

ティファは真っ赤になって走り去った。

クラウド「ティ…ファ…」

クラウドの方もつい赤面してしまう。ぎくしゃくしている2人を見てマリンとデンゼルは怪訝そうな顔をする。

マリン「クラウド、ティファ、2人共どうかした?」
クラウド「いや、何でもない」
ティファ「ええ、何でもないのよ、マリン」
マリン「なんか変だなあ…デンゼルもそう思わない?」
デンゼル「ああ。昨日、バレットおじさんとクラウド達の昔の仲間だっていう人達が来たけど、それと関係あるのかな…?」
マリン「う〜ん、とにかくしばらく様子見てよう」



その夜――

クラウド「ティファ」

クラウドが部屋で声をかけるとティファは飛び上がった。

クラウド「どうした?」
ティファ「う、ううん、何でもないの。で、どうかした?」
クラウド「もし来週仕事の依頼が入ってもキャンセルしてくれないか?」
ティファ「来週…あ…」

来週にはエアリスの命日があった。

ティファ「また、行くの…?」
クラウド「ああ…」
ティファ「そ、そう、わかったわ」
クラウド「ティファ」
ティファ「…な、何…?」
クラウド「いや…何でもない…そろそろ寝よう」

そう言うと、クラウドは自分のベッドに入った。それを隣のベッドからティファは複雑な気持ちで見ていた。

クラウド「お休み」
ティファ「え、ええ、お休みなさい」

ティファ(クラウドにはまだそんな気はないんだわ…)





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