※この話はFF7本編クリア後、ACの設定を一部だけ使ってあります。





セフィロスを倒し、世界が平和になった後、クラウドはストライフ・デリバリー・サービスという運び屋を始めた。クラウドはティファと一緒に暮らしており、ティファは元々ミッドガル七番街スラムにあったバーと同じ名前のセブンスヘブンというお店を開いていた。2人が住んでいる街はエッジといって、大都市ミッドガルが破壊された後、ミッドガルに寄り添う形で新しくできたものである。



ある日、クラウドはいつものように、愛用のバイク、フェンリルに乗って道路を走っていた。すると携帯電話が鳴ったが、クラウドが出ようとした時には留守電に切り替わってしまった。そして受話器の向こうから声が聞こえてくる。

「も〜う、電話出ろ!そんなんでいいワケ?」

声からユフィだとわかったクラウドはしまったと思った。その後、バレットのところへ行くようにかつての仲間達から電話がかかってきて、配達が終わった後にバレットのところへ行くと、バレットから、ユフィからクラウドへ渡すように頼まれたものがあると言って渡された。中身は臨時休業の看板だった。仕事も一段落ついたことだしユフィに電話してみる。

ユフィ「コォ〜ラァ〜!クラウド!よくも私の電話を無視したなあ〜っ!!!」
クラウド「すまない、忙しかったんだ」
ユフィ「お詫びに1日アタシと付き合え〜っ!!問答無用!言い訳はなしだからな!」
クラウド「別に構わないが、仕事が入ってない日でないとな…」
ユフィ「だからあんたに臨時休業の看板あげたじゃん。さあ!さっそくLet's Go!」
クラウド「ま、待ってくれ。まだミッドガルに運ぶ荷物が残っている。それにティファにも電話しておかないと…」
ユフィ「ティファね…フン!いいよ!じゃあアタシはボーンビレッジの近くで待ってるからさっさと来なよ!」
クラウド「ボーンビレッジ…?あんなところでどうしようっていうんだ?」
ユフィ「そんなのアタシの勝手じゃん!いいからいいから!」
クラウド「わかった」

クラウドはボーンビレッジへ向かいながらティファに電話をかける。

クラウド「ティファ、何か依頼は入っているか?…いや…それは断ってくれ。明日は休みにする…別に…帰りは明日になる。じゃあな」



ボーンビレッジに着くと、ユフィが待ち構えていた。

ユフィ「ク〜ラ〜ウ〜ド〜!よくもこの可愛い可愛いユフィちゃんの電話を無視したなあ〜っ!」
クラウド「謝っただろ?」
ユフィ「それでも腹の虫がおさまらな〜い!喰らえっ!パーンチ!」
クラウド「…相変わらずだな」
ユフィ「それじゃ一緒に忘らるる都へ行こう!」
クラウド「…何?」
ユフィ「ほらほら、何してんのさ!さっさと行くよ!」

ユフィに引っ張られながらも、クラウドはエアリスの眠る地、忘らるる都へ入って行った。



ユフィ「…いつ来ても神秘的な場所だよな。さすが古代種の住処だよ」
クラウド「ユフィ、急にどうしたんだ?ここへ来たいだなんて」
ユフィ「エアリスに会いに来たんだよ。星を救ってからまだ1回もここに来てないなって思って」
クラウド「そうか」

クラウドがエアリスの埋葬をした場所まで来ると、ユフィはポケットから小さい花を出した。そしてしゃがんで花を湖に浮かべる。

ユフィ「エアリス、あんたの教会で咲いていた花だよ」
クラウド「ユフィ…」

ユフィはしばらくエアリスを埋葬した湖を眺めていた。

ユフィ「クラウド、アタシさ、エアリスのことホントに好きだったんだよ。一緒に旅してた時、なんか優しいお姉さんができたみたいで嬉しかった。だけどアタシってばひねくれ者だからさ、いつも憎まれ口ばかり叩いて素直になれなかった。そんなことばかりしてて、本当の気持ちを言えないうちにエアリスは――星に帰っちゃった」
クラウド「……………」
ユフィ「悲しかったよ。ホントに。今でもエアリスが私の前からいなくなっちゃったんだと思ったら、もう2度と会えないんだと思ったら、悲しくて、涙が出てきて止まらないんだ………うっ………ぐすっ………」

ユフィは涙を流しながらクラウドに泣きついた。クラウドもユフィを優しくなだめるように抱きしめる。かつてそうしたように。
エアリスが死んでしまった時、ユフィは泣きながらクラウドに抱きついた。クラウドは普段のユフィとはあまりにも違う様子に驚きつつ抱きとめ、そしてエアリスを失った悲しみにくれていた。
ユフィはだんだん声を上げて泣き始めた。普段は強がっているユフィが女らしく感じられる。クラウドはユフィが泣きやむまでそっと抱きしめていた。





ユフィ「クラウド、今日はありがとう。エアリスにちゃんとお別れも言ったし、すっきりした気分になったよ」
クラウド「最初は怒っていたからどこにつれまわされるかと思ったぞ。意外だったな」
ユフィ「へへ。今日のこと、みんなには内緒だよ。アタシは今でもエアリスのことが好きさ。だからエアリスの分まで幸せになって生きてやるのさ!」
クラウド「そうだな。エアリスもライフストリームの中で見ていてくれるだろう」
ユフィ「そうだね。その為にはまず自分の幸せをつかまなくちゃ」
クラウド「ユフィの幸せって何だ?やっぱりマテリアなのか?」
ユフィ「ざ〜んね〜んで・し・た!マテリアよりもっといいものだよ〜ん!アタシにはちゃ〜んと計画があるんだから!」
クラウド「へえ、それは感心だな。またドジるんじゃないぞ。コルネオに捕まった時みたいにな」
ユフィ「げーっ!ヤなこと思い出させんなよ!縄抜けの練習ならあれから一生懸命やったんだからな〜!」

クラウド「それじゃあそろそろ帰るぞ」
ユフィ「なんだよ、そんなに早くティファに会いたいのかよ」
クラウド「そうじゃない。仕事があるんだ」
ユフィ「ふ〜ん、べ、別にあんたが何してようと勝手だけどさ、電話ぐらい出ろよな!」
クラウド「わかった。手が離せない時以外ならちゃんと出る」
ユフィ「今度出なかったら罰ゲームだからな!」
クラウド「今日のは違ったのか」
ユフィ「うるさ〜い!細かいことは気にすんな!じゃあまたなっ!」

2人は別れ、それぞれエッジの街とウータイへ帰っていった。ウータイへの帰り道、ユフィは1人佇む。

ユフィ「エアリス、クラウドのことはこのユフィちゃんに任せときなよーっ!アタシが絶対に幸せにしてやるからさ!ティファには渡さないんだかんね!フン!クラウドとティファは同棲はしてるけどまだ結婚はしてない。まだアタシの入る余地はあるってもんだよ。だ・い・た・い・ティファってヤツはさあ、なんであんなに美人で優しくて、しかも胸がデカイんだよっ!何食ったらあんなになるんだっ!チックショー!いいもん!クラウドだけはアタシの独自の魅力で虜にしてやるんだから!ティファはセブンスヘブンのお客にモテモテだからいっくらでも男いるじゃん。より取り見取り選び放題じゃん!クラウドはアタシがもらうんだから!クラウドだけはぜーーったい渡さない!!見てろよ〜ティファ〜!」

クラウドへの想いとティファへの闘争心に燃えるユフィであった。





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