クラウドとユフィの結婚式当日――

シド「よう!クラウド――って何だその髪?」
クラウド「いや、これは、ゴドーがキサラギ家の一員になるからには常に髪を黒く染めろって…」
シド「なんかイメージ変わるなあ」
クラウド「髪の生え際に至るまで毎日染め続けろと言われてしまった」
シド「そうか。そりゃ大変だなあ。にしても意外だったなあ。おまえはティファと結婚するもんだとばかり思ってたぜ」
クラウド「ティファには…すまないことをした」

バレット「それがわかってるなら1発殴らせろー!」
ケット・シー「バレットさん、落ち着いて!祝いの席でそんなことしたらアカンで。めでたい式なんやから」
バレット「…チッ。いいか、クラウド。ティファを悲しませた分ユフィを幸せにするんだぞ!ユフィまで不幸にしやがったら許さねえからな!」
ヴィンセント「ユフィの性格上、そんなことになったらバレットが出るまでもなく血祭りにあげられるだろう」
レッド13「クラウドー!ユフィの花嫁姿すっごく可愛かったよ〜!」
ケット・シー「そろそろ時間やで。さ、みんな式場に行きましょう!」



クラウドとユフィの結婚式はウータイの独特の文化により、和式で行った。普段はおてんばなユフィも式の間は大人しくしていた。式にはゴドーの弟子、ウータイの五強と呼ばれる者達も列席しており、他にもウータイの人々がたくさん招かれていた。皆、新たに五強を統べる者がどのような人物かと、ユフィとクラウドに注目していた。そして2人の結婚式が賑々しく行われる中、途中でティファが現れた。ティファは結婚の祝いの言葉を告げると、寂しそうに去って行った。しかし、それが彼女にできる精一杯のことであった。



披露宴になると、無礼講になり、宴会で皆騒ぎ出した。

ユフィ「さ、みんな今日はパーッと行こうよ!」
ゴドー「こりゃ、ユフィ、今日1日はおしとやかにしとらんかい!」
ユフィ「べー!だ。そんなのアタシの気性に合わないんだよ!」
ゴドー「全く誰に似たのか…これでは嫁の貰い手がないとばかり思っておったがうまくいい男をみつけてきおって」
ユフィ「へっへー、このユフィちゃんにかかればどんな男もイ・チ・コ・ロさ!」
ゴドー「相変わらず減らず口を叩くわい」

レッド13「ユフィ、おめでとう!」
ユフィ「ナナキ、アンタの為に特別に料理出してあるよ!」
レッド13「ありがとう!それにティファも…来てくれてよかったね」
ユフィ「そうだね…」
リーブ「しかしティファさん、大丈夫ですかねえ」

クラウド「リーブ!いつの間に本体で来たんだ」
リーブ「何を言ってるんです!ぬいぐるみと一緒に来たんですよ!」
ユフィ「リーブもぬいぐるみなんかにハマってないでいい加減奥さんみつけたら?」
リーブ「私は女性には恵まれていないんです」
バレット「おう!リーブ!ティファのこと、それとなく見といてくれよ!」
リーブ「ティファさんならきっといい相手がみつかると思いますよ。今、お店の常連さん達がこぞってティファさんに言い寄っているんです。この間もタークスのルードがティファさんに思い切って告白したそうですよ」
クラウド「ルードが?」
ユフィ「へえ〜意外だね〜でもティファの好みじゃない気がするけど」
リーブ「まあ、とにかくあれだけ多くの男性にモテるんだから、新しい人生を歩み出してくれればいいんですけどね」
バレット「タークスの奴なんかにティファはやれねえぞ〜!」
ユフィ「バレット、ティファはあんたの娘じゃないんだから。それに相手にされるかどうかもわからないだろ?」
レッド13「そうそう。ティファならもっと素敵な人見つけるって」





こうしてクラウドとユフィは結婚した。クラウドはまたストライフ・デリバリーサービスをやりながら、時々キサラギ家の忍術も学んでいた。自称元ソルジャーの彼にはそれほど難しいことではなかった。ユフィは相変わらずおてんばだが、きちんと忍術の修業もした。クラウドはユフィのおてんばぶりに呆れながらも彼女の明るく活発な性格に癒されていた。





そして――

(ティファ…ティファ…)
ティファ「え?誰?」
(私よ)
ティファ「その声は…エアリス!?エアリスなの?」
エアリス(ティファ、元気を出して。1度や2度の失恋でくじけちゃダメよ!)
ティファ「…エアリス…あなたはクラウドとユフィの結婚を祝福しているの?」
エアリス(ええ、もちろんよ。クラウドがユフィのことを本当に好きだというのなら、ユフィもクラウドのことが好きでお互い好き合っているのなら、私は喜んで2人の結婚を祝福するわ)
ティファ「そう…エアリスは強いものね…でも私は…あれが精一杯…」
エアリス(うん…わかってる………がんばったね…)

ティファは泣き出した。

エアリス(ティファ、クラウドが好きなのは私達じゃなかったのよ。あなたにもいい人が見つかることを祈るわ。結婚は女の幸せだものね)
ティファ「……………」
エアリス(ねえ、ティファ、最近あなたに会いに来る、あのとても誠実そうな人、あの人のことどう思ってるの?)
ティファ「…まだ、わからない。私、当分クラウドのこと忘れられそうにないわ」
エアリス(そうね。どれだけ時間がかかってもいい。失恋って本当に辛いもの。でもいつか、乗り越えられるようになったら、あなたはあなたで、新しい恋を見つければいいと思うわ)
ティファ「その時、誰か私の側にいてくれる男の人なんているのかしら?」
エアリス(あれだけお店の人気者になっているのに何を言っているの?大丈夫。きっと素敵な出会いがあるわ。もう会っているかもしれないわよ)
ティファ「……………」
エアリス(全てはあなたが決めること。あなたのペースで、新しい相手が欲しいって思った時に探せばいいわ。その時、きっと素敵な人があなたの側にいる)
ティファ「エアリス…ありがとう…」
エアリス(もう!ティファったら!ユフィはあんなにたくましい子なのにあなたったらいつまでも心配かけて。でもいいわ。私、いつまでもあなたを見守ってる。あなたが楽しい時も、辛い時も、苦しい時も。だから幸せになって、ティファ)
ティファ「…エアリス…」





ティファは失恋の痛みに耐えながら、新たな出会いについて考え始めた。まだ具体的な相手は決まっていない。ティファにとってクラウドの存在は大き過ぎた。夢うつつの間にエアリスに励まされ、ティファは自分にとって恋愛対象として視野に入る男がいるかどうか考え始めた。





そしてクラウドとユフィは時に喧嘩しながらも楽しく、幸せに暮らしていく――






Happy End





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