聖剣伝説FF外伝をベースにしたオリジナル長編小説です。基本的に実際のゲームに沿って書き進めていこうかと思います。
ヒーローの一人称は、ゲーム中では「僕」の時と「俺」の時がありますが、ここでは「僕」に統一してあります。
カップリングとしてはヒーロー×ヒロインです。
名前設定 ヒーロー:ロイ ヒロイン:マリア
ロイとその仲間達は、グランス公国の奴隷として毎日モンスターと戦わされていた。しかし、度重なる負傷と疲れの為、次々と倒れて行った。そしてロイの親友であるウィリーも…
ロイ「死ぬな!ウィリー!」
ウィリー「ロイよ…よく聞け。今マナの樹に危機がきている」
ロイ「ウィリー!?いきなり何を言ってるんだ?」
ウィリー「この危機を救うにはジェマの騎士の助けを求めるしかない…」
ロイ「ジェマ…?マナの樹…?」
ウィリー「滝の小屋に住むボガードに会うんだ…うっ…彼はジェマの騎士、きっと力になってくれるだろう…うぐ…」
ロイ「ウィリー、死ぬな!ウィリー!!」
ウィリーは息絶えた…
ロイ「ウィリー…可哀想に…死ぬ間際におかしなことを口走って…きっと仇はとるからな!」
アマンダ「ウィリーのことは残念だったね…でもこのままいけばあたいらみんな死んじまうよ」
ロイ「そうだな…このままではいつか僕も…」
奴隷仲間「ロイ、ここから逃げ出すのか?聞いたところによると格闘技場のモンスター入場ゲートは外に通じているらしい。脱走のチャンスは一瞬だ!」
ロイ「そうか。じゃあ今度モンスターと戦った時に…!」
再びモンスターのジャッカルと戦い、ゲートが開いた隙に逃げ出し、脱走に成功したロイ。
しかし、滝のほとりでシャドウナイトと部下のジュリアスの会話を盗み聞きしてしまう。そしてジュリアスが姿を消した後、シャドウナイトに見つかるロイ!慌てて逃げ出すが崖に追いつめられる。
シャドウナイト「マナの樹の秘密を知った以上、生かしてはおけぬ。覚悟しろ!」
どんっ
ロイ「うわああああーーーー!」
ロイは崖から突き落とされた。
気がつくとロイは見知らぬ場所にいた。
ロイ「くく…畜生、ここはどこだ?どこまで流されてきたんだ?」
仕方がないのでモンスター達を倒しながらフィールドを進むロイ。しばらく戦っているうちに戦いに慣れてきて、以前より剣の腕前が上がったように感じたその時――
(ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ〜ちゃちゃちゃちゃちゃ〜♪ レベルアップですぜ。あんたも成長したもんだ)
ロイ「うわっ、な、何だ!?頭の中で変な声がする!」
(あっしはあんたの守護霊ですぜ。いつでもあんたを見守っていやす)
ロイ「な、ななな何だ?」
(落ち着いて下せえ、旦那。実はこういうわけなんですよ。あっしも元はあんたと同じシャドウナイトの奴隷でやんした。そして他の奴隷達と同じようにある日モンスターにやられちまったんですよ。そしてその後あっしは神様からの御使いであんたの守護霊になったんでして)
ロイ「な、何だってえ!?」
ロイはパニックになり同じ言葉を繰り返すばかりである。
(あんたの親友のウィリーの今際の言葉を覚えてますかい?あんたは神に選ばれたんですよ。世界を救うヒーローとして)
ロイ「ウィリー?なんだかおかしなことを言って死んでしまったけど…」
(あれは神がかりになっていたんですよ。あんたに使命を伝える為にね)
ロイ「何だって?確かマナの樹に危機が来ていて、ボガードという人に会えって言ってたな」
(そう!それがあんたの今の目的ってわけですよ。さあ、滝の小屋に住むボガードに会いに出発〜!)
ロイ「待ってくれ。結局君は何なんだ?」
(だからあんたの守護霊ですよ。あんたの戦士としての腕前が上がったら、ほら、体力を全回復させてあげやすぜ。そして、あんたが本来の目的を見失わないよう見守るのがあっしの役割なんで)
ロイ「……………」
ロイが混乱した頭の中を整理するのにしばらくの時間を要した。
様々な疑問が残るがとりあえずフィールドを進んでいくと、少女がモンスター達に襲われている!
少女「キャー助けてー!」
ロイはモンスター達を倒して少女に話しかける。
少女「ハシムが…怪物に襲われて大怪我を…」
ハシム「もう駄目だ…若者よ…どうか私に代わってこの子をウェンデルまで連れてってくれんか?ボガードに会えばきっと力になってくれるだろう…」
少女「ハシム!死なないで!!」
ハシムという男は息を引き取った。少女はおどおどしている。
少女「どうすればいいの…初めての土地で右も左もわからないわ」
ロイ「君、落ち着いて。実は僕もボガードって人を探してるんだ。一緒に行こう」
ロイは優しく少女に話しかけ、慰めてやった。そして2人でハシムという男の遺体を埋葬した。
ロイ「どうやら君はグランスに狙われてるようだね…僕の名はロイ」
少女「私、マリアです」
(可愛い女の子ですねえ)
ロイ「う、うるさいな!おまえは黙ってろ!」
マリア「何かおっしゃいましたか?」
ロイ「い、いや、何でもないよ。さあ、行こう」
フィールドを進む最中、モンスターから手傷を負うと、マリアという少女は手当てをしてくれた。
マリア「お怪我は大丈夫ですか?」
ロイ「う、うん。ありがとう」
ロイは手当てをしてもらうたびに赤面し、胸の鼓動が高まるのを感じた。
そして2人は滝の横の小屋をみつけた。
ロイ「ここにボガードっていう人が住んでいるのかな?僕が聞いたところによると、ボガードという人はジェマの騎士らしいんだけど」
小屋の中に入ると老人が1人住んでいる。
ロイ「あのォ、ボガードって人を探しているんですが…」
老人「何も話すことはない!」
…………………………
ロイ「あのォ、ボガードって人を――」
老人「何も教えん!」
…………………………
ロイ「あのォ――」
老人「わ、わァー、うるさーい!何も聞かない!聞こえなーい!……おお!おなごの胸にあるのはマナのペンダントではないか!」
マリア「やっぱりあなたがジェマの騎士ですか?」
老人の正体がボガードであることがわかり、3人はマナの樹の危機について話をした。
ボガード「ウェンデルの町でシーバに会うんだ。彼もジェマの同志…ペンダントの秘密を明かしてくれるだろう」
ロイとマリアの2人はウェンデルへ向けて出発した。途中で日が暮れてビンケットという館に到着する。どうやら泊めてもらえるようだ。一室を借りて寝ようとした時――
マリア「ねえ…ロイさん…」
ロイ「え?何?何?」
マリア「私の治療の魔法、あなたの今後の旅に必要になると思うわ。教えて欲しい?」
ロイ「欲しい!…で、どうするの?」
マリア「これ、読んでおくといいわ」
マリアはロイにケアルの書を渡した。
マリア「お休み…」
ロイ「それだけ?お…お休み…」
(一体、何を期待していたんですかい?)
ロイ「べ、別に……ケアルの書かあ。魔術書なんて初めて見るな。少し読んでおこう」
フフフ…処女の生き血…あの男が寝静まったら…フフフ…
―――――数時間後―――――
ロイ「う〜ん、魔術書って難しいなあ。ちょっと読んだだけじゃわからないよ」
な、何をやっとるんだ、あの男はー!早く寝んか!
ロイ「う〜ん」
とっとと寝ろ!でないといつまで経ってもあの少女をさらえないではないかー!
ロイ「ん?今何か聞こえたような…?」
…ハッ!まずい!気配を消さねば…!
ロイ「風の音かな…」
ロイが魔術書と悪戦苦闘している最中、謎の気配はじりじりしながら待っていた。
―――――明け方―――――
ロイ「ふう、やっとなんとか理解できたよ。まだ朝まではもう少し時間があるし、寝ておこう」
この男め!散々待たせおって!よくも私の夜を台無しにしたな!
徹夜したロイが眠りにつき、熟睡している間に謎の気配が邪悪な気を纏い、マリアをさらっていった。
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