ランディとプリムの2人は急いで水の神殿に向かった。

ルサ・ルカ「一体何事じゃ?」
ランディ「ルカ様、お願いです。しばらくプリムをここにかくまって下さい」
ルサ・ルカ「何があったのじゃ?」
プリム「パパに貴族の息子と無理やり結婚させられようとしてるの」
ルサ・ルカ「…ふむ…それならばフラミーに乗ってどこか他の場所へ行ったらどうじゃ?」
プリム「その前に…ランディと話をしたいの」

水の神殿の巫女ルサ・ルカは2人の様子をしばらく眺めていた。彼女は外見こそ少女の姿をしているが、実際には200年以上もの時を生きている。長年の経験でなんとなく状況が察しがついた。

ルサ・ルカ「……下の部屋を貸してやろう。2人でゆっくりと今後のことを話し合うのじゃな」


ルサ・ルカの許可を得てランディとプリムは神殿内の部屋へ入った。

ランディ「プリム…事情はわかったよ。君がどうしても嫌だと言うのならそんな結婚はしなくていいよ。フラミーに乗って、どこへでも君の好きなところへ行こう。大丈夫。僕がついてるから」
プリム「言うことはそれだけ?」
ランディ「え?」
プリム「だ・か・ら!望まぬ結婚から逃げる私を連れて、これから2人っきり(・・・・・)で生きていくっていうのに、言うことはそれだけなの?」

ランディ「プリム……僕は…」
プリム「ランディ、私、あなたのことが好きよ」

ランディは目を見張った。

ランディ「プリム…!!」
プリム「ディラックがいなくなって、寂しくて、でも旅の途中ずっとあなたは側にいてくれた。この間だって、泣き崩れた私を優しく慰めてくれた。それで気付いたの。私、ランディが好きよ!ディラックより何倍も、何百倍も、あなたが好き!!」

ランディはしばらくプリムを見つめていた。

ランディ「……本当に、僕でいいのかい?」
プリム「私、あなた以外に人生のパートナーなんて考えられないわ!」

ランディはまたもや沈黙する。

ランディ「……僕がこれからやろうとしていることはエルマンさんを裏切ることになってしまう。それでもプリム、君が望むのなら…!」
プリム「ランディ!」

プリムはランディにすがりついた。

プリム「それじゃあこれからは、これからもずっと一緒なのね!結婚してくれるのね!」
ランディ「ああ。君が嫌じゃなければ」
プリム「嫌だなんて!今さら何言ってるのよ!」
ランディ「プリム…いずれにしても僕は、どこか人里離れたところで静かに暮らすつもりだよ。それでもいいの?」

プリム「派手な生活なんて…贅沢なんていらないわ!私はあなたと一緒にいられれば。長い間一緒に旅をした仲じゃない?私が野宿にだって、貧しい状況にだって耐えられるのはわかってるでしょ?」
ランディ「でもそれは一時的なことだった。これからはずっとその状態が続くんだよ?だからエルマンさんは貴族との結婚を薦めてくるんだ」
プリム「そんなもの…!もうこれ以上言わせないで。迷いはないわ。私はあなたについていく!」
ランディ「……わかったよ、プリム。これからはずっと一緒だ。絶対に君の側を離れたりしない」

ランディはプリムを抱きしめた。

ランディ「とにかく今日はもう遅いから休みなよ。僕は隣の部屋で寝る」
プリム「ランディ…」
ランディ「それじゃあね。お休み」

そう言うと、ランディはそっとプリムの顎を上げ、優しく口づけした。


ランディが部屋を出ていった後、プリムは激しく取り乱した。

プリム「○×△☆□〜!!!!!……………まっ…まさか……ランディの方から先にしてくるなんて…!!!!!」

プリムは真っ赤になり体中が燃え上がるように熱くなった。





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