デュランは今だかつてないほど取り乱していた。

デュラン(だいたい、あいつは…無駄に色気がありすぎんだよ!!!!!)

デュランが初めてアンジェラに会ったのは城塞都市ジャドの宿屋だった。まだ旅に出たばかりの頃である。妙齢の女性の寝姿というものを初めて目にしたデュランは思わずドキドキしてしまった。その時、起きてしまったアンジェラからは突き飛ばされてしまったが。その後、共に旅する仲間として世界中を巡るようになった。途中、クラスチェンジをしたアンジェラが取得した必殺技の名は「ピンクタイフーン」。

デュラン(だいたい、なんなんだよ!あの必殺技は!あれでやられたモンスターが一体何体いたと思ってるんだ。あいつの色気は半端じゃねえ。それに少しはこっちの身にもなってみろってんだ。目のやり場に困るんだよ!)

そんなアンジェラが今、このフォルセナに来た目的。

アンジェラ「デュラ〜ン。さっきは一体どうしちゃったの〜?」
デュラン「うわっ!こっち来るなよ!」
アンジェラ「何よお。私のことそんなに嫌いなわけ?」
デュラン「そ、そうじゃなくて、おまえがこの国に来た目的って…」
アンジェラ「ふ〜ん?もしかしてやっと気付いた?」
デュラン「ま、まさか、おまえ」
アンジェラ「も〜う!バカバカバカバカ!あんたって何でそんなに鈍いのよ〜!私はね、前々からあんたのこと好きだったのよ!旅に出たけど、魔法は使えなくなっちゃったけど、魔法よりもっと素敵なもの見つけたって嬉しかったのに!」
デュラン「それって前に言ってたよな?何かは教えてくれなかったけど」
アンジェラ「あんたって本当にバカね!女にとって何より大事なのは恋よ!結婚よ!女としての幸せよ!」
デュラン「なっ………」
アンジェラ「ねえ、デュラ〜ン、デュランは私のことどう思ってる?」
デュラン「わっ!抱きつくな!」

アンジェラは艶めかしく腕をデュランの首に絡めた。互いの顔が急接近する。アンジェラから甘い吐息がかかり、デュランは完全に平常心を失った。

アンジェラ「デュラン、好きよ」

デュラン「!?

アンジェラの唇がデュランの唇に重なる。お互い初めてのキス。どれだけそうしていただろうか。永遠とも思われる時間が経った後、アンジェラはやっと口づけをやめた。だが、まだ腕はしっかりとデュランに絡めたままである。

アンジェラ「ねえ、デュラン、私と結婚――あら?」

顔中真っ赤になったデュランはまるでゆでだこのようである。そしてそのままのぼせてよろめいた。



その日、アンジェラはデュランを「落とす」ことに成功した。



デュランとアンジェラの縁談は、1度決まると後はあっという間に段取りが進んだ。アルテナ女王ヴァルダも英雄王リチャードもこの縁談には異論がなく、外交的には両国の交流を深めるという名目をつけた。デュランの妹のウェンディや伯母のステラも、デュランが国を離れてしまうよりも、ちゃんとした相手ができたことを喜んだ。それに関してデュランは意外であったが、そう言うとウェンディとステラ2人からデュランの女に対しての興味のなさ、粗雑さを散々指摘され、相手ができたことを喜ぶように叱責されたのであった。デュランは縁談の話になるたびに顔を真っ赤にさせた。アンジェラの方は得意顔である。そして国を立つ時、デュランのかつての傭兵仲間から乱暴に祝福された。

傭兵仲間「デュラン!この野郎!あんな色っぽい美人をうまく捕まえやがって!」


ガスガスガスッ!


デュラン「いてっ!何するんだよ!」
傭兵仲間「本当に羨ましい奴だな!幸せになっちまえ!この野郎!」



結婚式はアルテナで行われた。フォルセナ側は英雄王リチャードやステラ、ウェンディが参列し、その他かつてデュランとアンジェラが共に旅をした仲間達もやってきた。アルテナの国民は王女の結婚相手に意外さを隠せないようだったが、魔法が失われた今、騎士も国に必要な存在であるのと、王女であるアンジェラ幸せそうな顔を見て、盛大に祝ったのであった。



その後、彼らの日常は夫婦喧嘩が主であった。わがままなアンジェラと女心などこれっぽっちもわからない無骨なデュランでは無理がなかったかもしれない。しかし、いざ夫婦の甘い時間になるとアンジェラは女として大人しくなり、デュランは相変わらず真っ赤になっり、どもったり不器用なままだった。

喧嘩をしながらも、彼らは幸せに楽しく暮らしていった。





Happy End


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