タデ科の多年草。日当たりのいい荒れ地や丘陵地の斜面、川の土手などに生える。雑草の類で、雌雄異株。
小さな花をたくさん穂状に付ける。
花の色は通常、黄を帯びた白色だが、雌花はやや赤みを帯びることがある。
雄花は花穂を立ち上げて咲く。雌花は垂れ下がるので、
離れたところからでも分かる。赤みを帯びた雌花は赤みを帯びた実を付ける。
たけのこ状の若芽は食用になる。皮をむいて、そのまま食べたり、ゆでて和え物、煮物にしたり、
てんぷらにする。かむとすっぱく、蓚酸を含むので、過食は避けたほうがいい、といわれている。
昔は早春に萌え出る若葉も食用としたようだ。『植物和名の語源』(深津正著)によると、「若葉をゆびき、
米か麦粉にまじへ糧とす(『糧物考』)などとあり、救荒植物として利用があったようだ。
万葉集の「みちのべの いちしのはなの いちしろく ひとみなしりぬ あがこひづまは」(2480)に
出てくる、いちし(壱師)をイタドリに比定する説がある。私は、壱師はエゴノキかイタドリの可能性が高いと思う。
写真は雄株で、2003年9月19日、愛知県春日井市の東部丘陵地で写す。道路沿い、林縁の斜面などに、たくさん
あったが、雄株が目立った。
雌株は実を結んだ株が目立った。■花の拡大(2003年9月19日作成、12月12日改)