2003年は5月13日に訪れた。ウィークデーで、あいにくの曇り空。着いたのは昼過ぎだったが、
年配者を中心に、かなりの人が訪れた。「20日ごろが最盛期」と聞いたが、見ごろを迎えていた。
自然の群落なので、華やかさはないが、情趣がある。
小堤西池は、愛知県刈谷市井ヶ谷町小堤西1にある。同市教委発行のパンフレットによると、西池の広さは
20,330平方メートル。水田かんがい用の池で、カキツバタをはじめ水湿地に見られる100余種の植物が
自生している。これら植物の保護を目的に、昭和13年8月に国の天然記念物に指定された。
その後、放置され、池の西南部一帯にアンペライが繁殖し、カキツバタを覆い尽くすほどになった。
昭和36年から、地元の人たちによってアンペライ退治が進められ、昭和51年からは「小堤西池カキツバタを
守る会」をはじめ多くのボランティアが、ヨシ、アンペライの除去作業をし、カキツバタの群落が復活した。
カキツバタの花の色は、青紫色が最も多いが、濃い青紫、薄い青紫、
赤紫が見られる。ほかに外花被(がく)、
内花被(花びら)の形や数が異なる花、八重咲き、よれ咲きの花もある、
という。ここを訪れたら、花のさまざまな変異も、ぜひ楽しみたい。
訪れた日、カキツバタ群落の周辺ではスイカズラ、
ノイバラ、ナワシロイチゴ、ニガナ、コウゾリナのほか、なぜかキショウブも見られた。
(2003年5月20日作成)■カキツバタ