2002年5月2日、岐阜県宮村を訪れました。水無(みなし)神社の例祭を見るためです。
水無神社は飛騨一之宮です。午前11時30分に行列が神社を出発すると、聞いていたので、それに合わせて
出発。午前11時20分に現地に到着しました。
例祭は毎年5月1、2日に催されます。1日は試楽祭で、夜行われます。2日の本楽祭は、神輿などを従えた
500人を超す行列が、鉦の音を響かせながら御旅山(所)まで約1キロを練り歩きます。行列は長いだけに、
たびだび立ち止まります。
1時間ほどかけて小高い御旅山の頂にたどり着き、神事が始ます。神代踊り、獅子舞いの奉納、玉ぐし奉奠
などがあり、終わったのは1時半ごろ。それから、神酒のどぶろくが振舞われました。例年なら、行列に桜吹雪が
舞うのでしょうが、今年は葉桜に見守られた渡御でした。
行列のスタートから、最後まで見て約2時間。観光客もあまり多くなく、のんびりとしたムード。参加
者自身が祭りを楽しんでいる感じでした。観光目当てでなく、地元の人たちによる地元のための祭りという
印象を強く受けました。
地元の人は、参加者を「役者」と呼んでいました。参加者たちは、この日ばかりは、正真正銘の役者。
非日常を演出する祭りの中で、思い思いに役者を演じきっているようでした。
山間の村で、観光目当てでなく、これだけの祭りを催すことができるということは、やはりすごい
と思いました。
宮村いや飛騨一之宮についての歴史をほとんど知りませんが、かつては栄えたのでしょう。著名な祭りにはな
い素朴な良さがありました。
熱田神宮に所蔵されている草薙の剣は、戦時中、水無神社に一時疎開していた、と三重大名誉教授の八賀晋さんが
2005年11月13日の春日井シンポジウムで話した。