見てきました                   猷々自的

復元された縄文中期の竪穴住居

 2004年4月5日、岐阜市芥見にある願成寺の中将姫誓願ザクラを見た帰りに、 岐阜県各務原市鵜沼三ツ池町にある同県指定史跡「炉畑遺跡」を訪れた。縄文時代の竪穴住居が六棟 (1棟は骨格だけ)復元され、一帯が遺跡公園となっていてる。遺跡内や道路側に、かなりの数のソメイヨシノが 植えられている。満開を過ぎ、落下盛んだったが、大木が多く、見栄えがする。このため、 月曜だったにもかかわらず、花吹雪が舞う桜の下で弁当を広げる人の姿が見られた。

 市教委の掲示板によると、同遺跡は昭和43年10月から46年11月までに、5回にわたって発掘調査が 行われた。この結果、4000年ほど前の縄文中期の竪穴住居跡が10カ所、埋めがめ炉跡1基、約3000年前の縄文晩期の甕棺墓5基 が見つかった。

 このほか、縄文中期の土器や、石ぞく、石斧、石錐、石匙、石皿といった石器、土偶、土製耳飾、石製玉類 などの装身具が出土した。竪穴住居跡内の炉やその周辺から、炭化したドングリ、クリ、シイなどの実も発掘された。

 出土土器は、炉畑式(咲畑式)と呼ばれる木曽川中流域を中心に発達した縄文中期の深鉢形土器をはじめ、 同じ時期に東日本や西日本の影響を受けた土器も含まれている、という。昭和49年に遺跡公園として整備された。

 静岡県の登呂遺跡に似た雰囲気がある。竪穴住居の中に入ると、薄暗く、すえたにおいがする。道路を挟んで、 復元された古い養蚕農家がある。この中にも入ったが、やはり薄暗い。家の中全体が、明るくなったの は、蛍光灯が発明されてから。まだ、ほんの最近なのだと思った。  【写真は桜の花びらの中に建つ復元竪穴住居=岐阜県各務原市で】


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