サンサーンスは、ほかに歌劇の作曲があるかどうか知らないが、サンサーンスの歌劇もこれ
1曲でいい。これもダリラを歌うバルツァの声に惹かれる。サムソンは三大テナーの一角を占めるホセ・カレー
ラスが演じる。
旋律美に彩られたオペラが楽しめる。有名なダリラのアリア「あなたの声に私の心が開く」を聴くだけでも、
バルツァの凄さが分かる。バルツァが、声を張り上げると、わがクリスキットのメインアンプのヒューズが飛
ぶ。ほかの歌手では飛ばない。コリン・デイヴィスの指揮も生き生きとしている。
ほかに同じコリン・デイヴィス指揮のオリガ・ボロディナとホセ・クーラ、チョン・ミュンフン指揮でプラシ
ド・ドミンゴとワルトラウト・マイヤー共演のCDも持っているが、バルツァが最高と思う。バルツァは迫力とい
い、声質といい、20世紀最高のメッツォ・ソプラノと私は思う。