学名をリリウム・ヤポニクム(日本の)というように、日本を代表するユリ。この花をシンボルマークに
している自治体が多いが、絶滅の心配もあるという。葉がササに似ているので、その名がある。花は白か薄い
ピンク色を帯びる。花期は1週間ほど。
発芽して地上に現れるまで2年、花が咲くまでに8年かかるという。虫媒花で、夜、ガが蜜を吸いに来る。
下刈りが行われる里山や、野原に咲くが、やっと咲いたと思うと、根こぞぎ採っていく心無い人が後を
絶たない。これが絶滅に向かう大きな原因だろう。
私の初見は、2002年6月8日に行われた愛知県春日井市少年自然の家の観察会。その数日後に再度、
見に行くと、花はなくなっていた。2003年6月2日、訪れたが見つからず、根こそぎ盗掘にあったようだ。
盗掘された花は、今年咲いたのだろうか。
こうした見栄えのする花は、盗掘に遭い易い。ほとんどの花は、家の庭に植えても育たないのに。
写真は2003年6月2日、同市東部丘陵の築水の森で写す。撮影地は、保護されているためか群落を
つくっていたが、孤立しても生える。
撮影地では、花は白いの、薄く薄いピンクがかったのから、全体に薄いピンクがかかったものまでさまざま。
花粉も黄色、茶色、赤っぽいのとさまざま。個体変異は多いようだ。私は白よりピンクがかったのが好きだ。
(2003年6月2日作成)■ピンクのササユリ
■白いササユリ