2005年11月9日、奈良を訪れたことがないという妻と、正倉院展を見に行く。JR奈良駅
から商店街を歩く。途中、興福寺に寄る。南円堂を見学すると、北円堂の秘仏が開帳されているというので拝観する。
五重塔などを見て、12時少し前に正倉院展会場の国立博物館に着いた。
ずらりと人が並んでいて、30分待ちという。仕方がないので並ぶ。ウィークデーでもこの賑わい。土、日曜だっ
たらと思うとぞっとする。入場した後も会場内は人があふれ、展示品はほとんど見ることができない。ちらちらと見
て出る。後で聞いたところでは、例年、大変な混みようだという。
昼食をとった後、東大寺を訪れる。30数年ぶりだが、最近訪れたような錯覚に陥る。テレビや本でちょくちょく
見ているからか。奈良公園の鹿も、つい最近見たような気がするが、そうではない。小学校の修学旅行の時、
せんべいを買って与えたが、今も修学旅行生が同じようなことをしている。
奈良公園を歩いていると、50年もその風景は変わらない。50年前と違うのは、訪れる人が多くなったという
ことだけのように思える。鹿の数も増えた。この半世記で、技術は恐ろしく進歩しているのに不思議な感じがする
のと同時に、ほっとした。奈良は時間が止まったように感じる不思議な所だ。
10月29日付け中日新聞によると文化審議会が28日、東大寺二月堂を国宝に指定するよう中山成彬文部科学
相に答申した。二月堂は“お水取り”(修二会)で知られる。現在の建物は、正面7間(約23m)、奥行き10間
(約27m)で、1669年、江戸幕府によって再建された。
二月堂のわきにある茶所は古さをを感じさせる。二月堂の下に三月堂があるのは知っていたが、向かい側に
四月堂があった。一月堂は見当たらなかった。昔はあったのだろうか。
【写真は国宝に指定される奈良・東大寺の二月堂】