春日井市内津町にある。「うつつじんじゃ」と訓読する。春日井市内には『延喜式神名帳』に掲載される式内社が二つあるが、その一つ。本殿裏にある回遊式の庭園は夢想疎石の作と伝えられる。庭園内では四季折々の野草が楽しめ、紅葉も見ごたえがある。
社殿は、本殿と拝殿を幣殿でつなぐ権現造り。拝殿は入母屋造りで、正面中央に向拝が設けられている。近世後期に活躍した信州・諏訪の立川匠によって、文化年間(1804−1818年)に建てられた。拝殿の左右に鎮座する自然木の狛犬は珍しい。
近郊近在からの初詣の参拝社が多いほか、東海自然歩道が経由しているため、春・秋の行楽シーズンは、リュック姿が目立つ。また、境内には、松に百日紅が付着して生長した珍木“すべらずの松”がある。試験に“滑らない”と縁起を担いで、1、2月は高校や大学合格を祈願に訪れる受験生が多い。
▼JR中央線高蔵寺駅から内々神社行き名鉄バスがある。