2005年8月27日の午後1時からは、岐阜県養老町にある象鼻山古墳群の第2次発掘調査の
現地説明会があった。大垣市の昼飯大塚古墳現地説明会の後、訪れた。現地説明会のはしごである。象鼻山は平野
部に突出している。山頂まで15分と地元の人はいうが、平地に慣れた年配者にはきつい。20分弱かかった。
坂道はきついが、風が心地よい。山頂から昼飯大塚古墳が見渡せる。午後からだったためか、昼飯大塚古墳の倍
ぐらいの人が訪れた。
象鼻山古墳群は、南宮山の一支脈である象鼻山の頂上から中腹にかけて築かれた約70の古墳から成る。
平成16年度まで、発掘調査が行われた山頂の1号古墳が前方後方墳であることが分かっている以外は、実態が
明らかになっていない。平成16年度から3号古墳を中心に第1次発掘調査が進められている。
第1次調査では、3号古墳と言われる墳丘は@円形で、周囲にも石が巡らされているA3号古墳が築造された
尾根の南側に壕が掘削されているB円形部分単独の施設として存在したのではなく、自然地形を利用した基壇状
の高まり及び前面の平坦地地一体的な施設である可能性がある――などが分かった。
第2次調査は、平成17年7月13日から壕、石、平坦部の範囲や位置、形態を明らかにすることを目的に
行われた。この結果、壕は1次調査で確認された南壕と、ほぼ対照的な位置に北壕が見つかった。南壕は
西側に続く。北壕から南壕までは約70メートルの距離がある、ことなどが分かった。
石は3号古墳西側の尾根上を中心に自然地形に合わせて並べている。中心部から一番離れた石までは
44メートルもあり、高低差は約10メートルにもなる。このことから、これらの石は養老山地や牧田川からの
見栄えを重視している、と町教委では見ている。なお、築造時期は特定できていない。
この日は、昼食を山頂近くの木陰で取った。すると、70代の地元の人が話しかけてきた。月に3回、象鼻山に登ると
いう。そして、夏にワラビを採るという。少し固いが食べられる。わし以外に採る人はいないとも。顔の色艶も
よく、元気のいい人だった。帰りは約10分で下山。帰りは、よいよいだった。
【写真は3号古墳西側尾根上に並ぶ石=岐阜県養老町の象鼻山古墳群で】