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Artist | ||||||||||||||||
CANDIDO CON ARSENIO RODRIGUEZ Y ESTRELLAS |
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Title | ||||||||||||||||
CANDIDO CON ARSENIO RODRIGUEZ Y ESTRELLAS |
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Review |
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まさか、こんな音源があったとは夢にも思わなかった。カンディード・アントマッテイは、アルセニオがニューヨークへ移住してまもない52年から、アルセニオのいとこのレネー・スクールとともに楽団のメイン・ヴォーカルを担当。豪快で男くさい骨太のテノール・ヴォイスがいかにもアルセニオ好み。 一部、盤起こしのためスクラッチ・ノイズがひどく、お世辞にも音質はよくないが、演奏内容は悪くない。クレジットには、アルセニオをはじめ、ミゲリート・クニー、“パパ・キラ”・スアーレス、“チョコラーテ”・アルメンテス、“パタート”・バルデース、レネ・エルナンデスといった豪華な顔ぶれが並ぶ。ジャケットにはアルセニオとエストレージャス(オールスターズ)となっていて、録音場所はニューヨーク、ハバナ、プエルト・リコとある。たしかにキューバ革命後の60年3月にクニーがニューヨークへ行ってアルセニオ楽団をバックに歌ったという記録があり、アルセニオとクニーがニューヨークでいっしょにレコーディングした可能性はゼロとはいいきれない。しかし、聴くかぎり、どうもクニーらしき声が確認できないのだ。思うに、50年代なかばから60年代前半にかけてカンディードが参加したさまざまなセッションの寄せ集めではないだろうか?。謎の多いCDだ。 アルセニオ初期の代表作 'BRUCA MANIGUA' は、下半身に重心のかかったアルセニオっぽいヘヴィなサウンドが展開される。トレスらしき音は聞こえるが、これがアルセニオとは断定できない。"QUINDEMBO" ではインストゥルメンタルだったので、もし、アルセニオが参加していれば、たいへん貴重な発見だが、トレスがナマであることと、ピアノがサルサっぽすぎることからアルセニオの参加はまずないとわたしはみている。 “パパ・キラ”・スアーレスのボンゴ、“キケ”・トラヴィエーソと“チョコラーテ”・アルフォンソのトゥンバドーラをフィーチャーしたアルセニオの名作 'KILLA, QUIQUE Y CHOCHOLATE' をリメイクした'TUMBA Y BONGO'は、50年のキューバ録音にかなり忠実なアレンジで、演奏がすばらしいうえ、トレスの音色も聞きとれるし、曲中「パパ・キラ」の掛け声がアルセニオっぽいことから、アルセニオの参加はまずまちがいないだろう。もしかしたら、渡米直前のキューバ録音かもしれない。 ほかにも、アルセニオ参加の可能性が確実と思われるのは、'HAY FUEGO EN EL 23'、'SIGUE ASI TU DESTINO'、'EL LECHONCITO'の3曲。リリー・マルティネスによるソン・モントゥーノの名作'HAY FUEGO EN EL 23'は、"SABROSO Y CALIENTE"に収録された同曲の別テイクか、さもなくばほぼ同時期の録音と考えられ、'TUMBA Y BONGO'とともに本盤最大の注目曲。'SABROSO...'では、リード・ヴォーカルが1人だったが、ここではカンディードのテノールが絡むダブル・リードを採用。また、キューバ音楽の基本であるクラベスのいわゆる“5つ打ち”のパターン(シンキージョ)も聞かれることから、こちらのほうが録音が古いかもしれない。'SIGUE ASI TU DESTINO'は、トランペットをフィーチャーした哀愁のボレーロ。'EL LECHONCITO'は、異色のメレンゲ。メレンゲとトレスの相性なんて想像できないが、なかなかどうして、ここでもアルセニオのトレスは強烈な個性を放っている。 こうしてみてくると、カンディードが男の魅力をふりまきながら熱唱するボレーロ'NO SE SI AHORA'も、案外アルセニオ楽団の伴奏ではないかとさえ思えてくる。 全10曲トータル25分にみたないが、アルセニオ直系のファンキーで豪放磊落な演奏を堪能できる。 |
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(4.24.02) |
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