World > Latin America > Caribe > Cuba | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
ARSENIO RODRIGUEZ |
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Title | ||||||||||||||||
PRIMITIVO |
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Review |
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まちがいなく60年代のアルセニオの最高傑作。50年代後半の録音との説もあるが、ヴォーカルがモンギート・エル・ウニコで、かれは62年にキューバからニューヨークへやって来て、64年にはジョニー・パチェーコの楽団に加わっているから、1963年というのが正解だろう。 キューバ最高のソネーロ、ミゲリート・クニーをほうふつさせるアーシーなヴォーカリストを得て、アルセニオは原点に立ち帰り、ひさしぶりに本来のソン・モントゥーノとグァグァンコーでグイグイと押しまくる。モンギートの力づよいヴォーカルとともに、アルセニオのアコースティック・トレスも絶好調。なかでも'COUPLAS DE ESPANA'でのスパニッシュ風の超絶的なトレス・ソロは、かれのベスト・プレイのひとつに数えていいだろう。録音もよく、トレスの美しく繊細な一音一音がはっきりと聞きとれるのもうれしい。 ほかにもボレーロ、グァラーチャ、パチャンガとヴァリエーションに富んでいながら、全12曲捨て曲は1つとしてなく、しかもアルバムとしての統一感もあって最後までけっして飽きさせない。 けっして悪い出来ではないがいまひとつ煮え切らなかったアメリカ時代のアルセニオがこのようにすばらしいアルバムをつくりえたことの裏にはプロデューサーの力が大きかったように思える。かれの名は、テディ・レイグ。チャーリー・パーカーの伝説のサヴォイ・セッションに携わり、50年代半ばにみずからのレーベル、ルーストを設立してからは、カウント・ベイシーなど多くのジャズ・アルバムを手がけた名プロデューサーである。タイトルからも想像されるように、レイグは、“アフロ・キューバン音楽の父”へのリスペクトから、いま一度、“ホンモノ”のキューバ・サウンドを演じてみるようアルセニオに提案したのだと思う。祖国キューバへの望郷の念に駆られながら「これがホンモノのキューバ音楽だ」というアルセニオのメッセージが音楽から聞こえてくるような名盤である。 |
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(9.20.01) |
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