□整備事業も、平成15年度にはすべて終わりました。あとは落慶と晋山式を残すだけです。落慶は文字通り工事の竣工を祝う式典です。晋山式とは山に晋む(進む)式と言う意味で、住職の就任式です。結婚式と同じで、式をしなくても住職になれないわけではないのです。現に私は慈眼寺の住職に就任してほぼ20年たちます。では、何が困るか。緋の衣が着られないのです。マアそういう制度になっているということです。道元禅師は朝廷から紫の衣を戴かれたそうですが「こんなものを着てはお山の猿に笑われる。」といって袖を通されなかったということです。そんな道元様から叱られそうな制度だと思いますが、皆さんの手前一人だけ制度に逆らうのもしんどいことです。というわけで、今回は逆らわずに落慶式に便乗して晋山式もやってもらいました。
□平成16年11月27日(土)首座入寺式
□平成16年11月28日(日)落慶・晋山式 法戦式
晋山式では、まず住職は親元といわれるところへ出かけます。親元とは、新しく迎える住職の身元保証人みたいなものなのでしょう。昔はまったく他所から住職を迎えたということですからそんな制度も必要だったのでしょう。今回は整備委員長が親元を引き受けてくれました。
もう一つは。併せて結制「けっせい」という行事をすることです。結制とは新任の住職が修業道場を組織して、後輩僧侶の育成をするというものです。要するにこれをやってはじめて緋の衣を着られる一人前の僧侶になるのでしょう。この道場の筆頭弟子を首座(しゅそ)といいます。この首座のために「入寺式」と「法戦式」というふたつの行事が加わります。「入寺式」とは首座を寺へ迎える儀式、「法戦式」とは首座が大衆の面前で問答をしてその修業の成果を誇示するためのものです。首座を勤めることは曹洞宗の僧侶にとって大きな節目の一つです。今回の首座は仁昌寺というお寺の暢祥さんという気鋭の青年が勤めてくれました。

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