13E1・シングルOTL実験

20040504〜


目次

13E1を知る 200405**〜
試験 20040606〜
実験 20040719〜
展望・・・いや妄想


はじめに昔話から

ラ技1994年10月号の藤井秀夫氏による「6C33CパラシングルOTLアンプの製作」にはドギモを抜かれました。実は前年に「とりあえず」買っておいた6C33C-Bが4本、普通のSEPP構想のために入手済みでしたが、コロッと計画変更。

6C33C実験解体前3 実験当時「写るんです接写」で撮影。

基本は藤井氏のマンマ。120V3A定格と信じてる産業用PTはある。実験ボード右端には2SJ119の定電流回路を用意。しかし、前段はなぜか3A167Mなンぞを嵌めたし、6C33C-Bのヒーターは4本全直列の「電灯線100Vの半波整流平滑無し50Vrms点火」を目論んだのです。

実は、この半波“脈流?”点火そのものは成立したが、4本の6C33C-Bの・・・実態は6.3V3.3Aヒーターの8個直列ですと、各H電圧がばらつきます。数値記録を残していないのでナンですが、実験を諦めるほどの差異だったはず。

おぼろげな記憶ですが、5%以上、最大10%未満のばらつきだったので、気にせずに強行してもある程度の結果は得られたかも。しかし心は折れてしまったので、この実験は没になりました。この時の未練が後年・・・

2SJ119は後年OTLシングルアンプに赴きました。

ご本尊の6C33C-Bは未開示の妄想OTLアンプに早く赴かせたいが。


13E1を知る

200405**〜

「Frank's electron Tube Data sheets」の存在を知ったのがきっかけかと思います。この中で本件の13E1を見つけ、MJ誌の広告にも中古球だが扱い店を見つけ、ついに「新品」と思しき別の扱い店も見つけました。この新品らしい方を「衝動買い」してしまいました。

13E1規格 6C33C-Bを凌ぎ7241・7242に匹敵する規模・内容を感じます。「Frank's・・・」からは、類似管「13E12」も知りましたが、μ・Gm・rpが少し低め。共にヒーターは33.8Wと、意外に省電力。

特性曲線からは・・・Ec2=100VではIb>0.5Aを見込めるが、これでは6080片側クラス。Ppは大きいのでEb・Ec2とも高電圧動作が可能かと思いますが、手頃な動作条件がデーターシートからは読み取りにくいのです。

入手前、既にWEB画像なども見ているのですが、どうも首都圏在住時に秋葉の店でも見た記憶のあるタマです。ベラボーな値付けと、異様な形状・サイズの印象だけ残ってました。コレが電源装置の直列制御管とは全く存じ上げませんでしたが。

その後「真空管(Electron tube) 規格表データベース 」で同等と思われる資料が閲覧できる様にもなりました。何処のどなたが運営されておられるのか存じ上げませんが有り難いことで御座います。

買いました。ジブンの腕で何とかなるものだろうか・・・と、不安混じりで半ば賭けのような・・・。、

13E1(STC) ヒーターの予熱中かと記憶。

若干の試作記事も見る、ST管類似形状の「12E1」の“お仲間”なんでしょうね。冒頭のサイトでは、「12E13」「12E14」てえのも見ました。

←ついでに買ったミレン製と聞くソケットを使用。

クローズアップ 通電中のクローズアップ。大電流向きらしい構造、カソード・グリッドが2組。見慣れぬ質感の陽極素材はなんでしょうか。

3行空けのために・・・こげなことを

このページのトップへ


試験

 20040606〜

試験中 エージング兼Eb-Ib特性のデータ取り中かと記憶。

実測特性 3結Eb-Ib特性曲線(Ec1=0V)を調べますと、う〜ん・・・。データーシートからの予感どおり「1/2・6080」クラスの電流特性が判明。6C33C-Bや7241/7242には遠く及ばない。

ちなみにEb=Ec2=100V時、@のIb/Ic2は、520/31mA、Aは520/26mAでした。グラフでは良く揃っているように見えますが・・・。

想像特性 余談ですが、米国系直列制御管の系譜とは趣が異なりますね。英国ではビーム管種が中心なのかと。12E1もデータ上での電流特性(内部抵抗と言うのは避ける)は大したことない。

実験中は思いつかなかった曲線の「拡張」。Pp(T)=95Wを頼りに高電圧SEPPなども妄想するが、それはまた違う機会に

3行空けのために・・・こげなことを

このページのトップへ


実験

 20040719〜

はじめの昔話で述べた「シングルOTL」への未練が復活しました。まず2本だけ購入したのは価格の事もありますが、単管でのOTLシングル構想ならやりやすかろうとの思惑が最初からあったのです。

なお、元ネタの藤井氏はさらに進化してます。MOSデバイスの定電流回路を、数10Ωの固定抵抗に置き換えるのを「退化」とは思いませんし、氏の表現を引用すれば「逆立ち式出力」回路にまで至ってます。これらの完成型がラ技1997年5月号の「G2ドライブ、3パラ・シングル、30KD6 OTLアンプの製作」かと存じます。

実験中画像 本来なら直流経路には、SPインピーダンスを上回る数値の「熱くなる抵抗」を挿入します。そこを8Ωの「実験用負荷抵抗」にしたのは、まあ簡略化の一つですが、これのAC電圧を調べる事で代用したに過ぎません。実は本気でやるなら、整流直後Ebb≒150Vでは不足ですし、200V以上では過剰分の熱損失もバカになりません。もっとも切実なのは「設備投資」のオカネなのですが。

8Ωの負荷抵抗が接地されているのは言うまでも無く、これも藤井氏の手法をお借りしております。実験なのでそのメリットは見えませんが、こじつければ−4〜5Vdcの対地電圧なので「安全だ」と言えなくもない。

わざわざ多極管接続を試したのは、多極管だから・・・では理由づけもひったくれもありませんが、簡便な三結ではEb=Ec2≒180V与えないと同等の出力は得られないでしょう。未検証ですが。

THDデータ 幾つかの動作条件を試した後のTube1のデーターです。強烈な2次歪みの為かクリップ・カットオフの様相が掴めません。暫定的に1.5W/19%!を最大出力と決めました。

Tube-1はPsg=10Wに対し、Psgo≒8.1W、Psgmax≒8.64Wと危険水域です。これに対しPpo≒60W、Ppmax≒70Wなので、数値上は大丈夫。でも球は熱いぞ・・・そりゃそうだ。H込みで100W以上食ってる。

Tube-2は同様に、Psgo≒5.4W、Psgmax≒6.84Wとやや楽な状況。Pomax、歪み、Ppo及びPpmaxは似た数値でした。2本のスクリーン・グリッド電流値に差があるのです。

正直言えば、これらの結果にはいささか失望もしました。かなり大雑把な実験なので精密さには欠けますが、ibmax≒1.2A程かと感じます。これくらいなら40KG6AのEc2≒150Vでも得られそうな気はしますが、単管でIbo≒0.5Aなんてえ事は無理で代用にはなりません。13E1のPpmax=90Wのデカさは活きてます・・・と言い繕ってみる。

このページのトップへ


展望・・・いや妄想

****〜

じつは後日(翌年だったか)、更に2本追加しました。ありていなSEPPも目論んでます。4本の中で若干のペア組みも視野にありますので、シングルでも多少は似た2本でステレオ化したいと懲りない妄想を考えてます。

なお、前述のように元ネタの藤井氏はOTLシングル3作目で、30KD6x3パラをG2ドライブされています。その二番煎じでしょうが、13E1でソレを拝借する手もあります。でも、G2ドライブ電圧は高いでしょうなあ。

SEPP素案 SEPPも妄想。シングルOTLとは別物にならざるを得ません。

でもなんだかこっちの方が少しだけ拵えやすそうな気もするのです。タマの風貌・規格からはいささか情けない出力に留まる覚悟はあります。珍しいタマっちゅうだけのOTLアンプだ。

クドいが三結Pp=95Wに頼った高電圧動作です。ホントに耐えるかど〜かは試してからの判断です。作例知らズですから。

簡易・・・云々は武末先生以外の作例を存じ上げませんが、試してみたいのです。なお、Ec2供給を分離してEb<Ec2のフッターマン式回路にしたところ〜で、Ec2が同じなら出力は変わらん理屈なのです。

3行空けのために・・・こげなことを

お〜い、昔話で取り上げた6C33C-B・・・ど〜すンの?。黙ってたけど、電流ペア販売の7241と未点検格安?7242もある。ど〜すンのよ。

このページのトップへ


実験へもどる
HOMEへもどる