クロノ「次はどこへ行こうか?」
老人「ラヴォスといつ、どこで戦うかはお前さん達しだいじゃ。じゃが、くれぐれもお前さん達だけでは戦わない事じゃ……おぼろげじゃが、お前さん達に力を貸してくれるものが見える……」
クロノ「今度は何だ?」
老人「中世で魔王に敗れ、現代まで彷徨い続ける誇り高き騎士の魂……」
カエル「彷徨う騎士の魂……まさか……な」
クロノ「現代に行ってみよう。チョラス町にはまだ行ってない。あそこに行ってみよう」



現代のチョラス町で情報収集をするクロノ達。

「この町の北に大昔の砦の跡がある。もう廃墟になってから何百年にもなるという話じゃ」
「北の廃墟に昔の立派な騎士の姿をした幽霊が出るんですって!ホラーな話よねェ、ワクワク」
「北の廃墟には渦巻いておる……400年もの間、蓄積され続けた怨念が……」
「この世に未練のある幽霊達が集まるんザマスよ、ああいう場所には……」

カエル「…まさか…」
クロノ「北の廃墟に行ってみよう」

クロノ達は北の廃墟へ向かったが、現代では件の幽霊は攻撃しても何も効かなく、話もできない状態であった。だが、カエルへの反応を見る限り、どうもサイラスのようである。現代でどうしようもないことは過去へ。仕方がないのでクロノ達は中世のチョラス村へ向かった。

「北の廃墟……あそこには何か不気味なただならぬものを感じるのじゃ……」
「10年くらい前、この村の北にある廃墟に魔物が何か運び込んだらしいよ。宝物じゃないかって噂だけど……」

クロノ「ふーん…何か宝が手に入るかもしれないんだな…でもまずはサイラスの墓だ。なんとかして奥まで行けないかな?」

クロノ達は大工に頼んで北の廃墟を修理してもらい、サイラスの墓へと向かった。そしてカエルはサイラスの霊と対話し、真の勇気を身につけ、グランドリオンもパワーアップした。他にも強力な武器防具を入手し、大きな収穫があった。そして歴史は変わる…

「この村の北には勇者の墓がある。400年前、ガルディア王国を救わんとして単身、魔王に戦いを挑んだ勇者サイラス様が眠る場所だ」
「400年前、魔王と戦った勇者サイラスとその親友のグレンの話……遠い昔の伝説です」
「サイラス様にはグレンという名前の親友がいたんですって!そのグレンという人はサイラス様が魔王に殺された後、伝説の剣を手に魔王軍と戦ったそうよ。男の友情よねェ、うるうる」

クロノ「……………なあ、魔王」
魔王「何だ」
クロノ「どうしておまえは魔王になんてなったんだよ?元は人間だろ?」
魔王「中世では魔法を仕えるのは魔族だけだった。だから人間共は私を魔族だと思い、嫌悪の目で見た」
クロノ「そういえば魔法王国ジールが滅びてから魔法は失われてしまったんだったな」
魔王「私には魔族の元しか居場所がなかったのだ。そして魔族達は高い魔力を持つ私を魔王と崇めた」

クロノはかつて古代のアルゲティの長老から聞いたことを思い出した。

ジャキ様はサラ様をも超える凄い魔力を秘めているらしい。しかし女王を狂わせサラ様を苦しめるその力を嫌い心ごと……その力を閉ざしてしまっているのじゃ

クロノ「そっか…おまえ、ものすごい魔力持ってるもんな…魔族達から魔王扱いされてもおかしくないよな」
魔王「………こんな力など持ってさえいなければ…ラヴォスなどこの星に来なければ、私の人生は狂わずに済んだのだ。サラと共に平和な日々が…」
クロノ「魔王…」
魔王「私の魔力は母を狂わせ、姉を苦しめる。そんな力などいらない」
クロノ「…なあ、魔力を押さえ込むには心まで抑え込まなきゃいけないのか?」
魔王「私があるがままに振る舞えば母と姉が苦しむのだ。感情を押さえ込むのが1番だった…」
クロノ「……………」

魔王「そんな目で見るな、クロノ」
クロノ「だって…そんなの悲しいじゃないか…」
魔王「魔力であろうと頭脳であろうと、ずば抜けた能力は災いをもたらす」
クロノ「そんなことない!ルッカだってメチャクチャ頭いいけど災いなんて起きなかったぜ!ロボを救ってくれたし。力はその人の使い方次第で変わるものだ!おまえだって――」
魔王「私は…おまえがそんな風に私のことを想っていてくれる、それだけで十分だ…」
クロノ「魔王…なあ、俺達と一緒にいる時は感情を抑え込んだりしなくてもいいぜ。おまえのあるがままに振る舞っていいんだ」
魔王「そのようなことを言っていいのか?私はサイラスを殺し、グレンをカエルの姿に変えた悪人だ」

その時、カエルが現れた。

カエル「魔王、おまえを倒したところでサイラスが戻ってくるわけじゃない。それに中世で人間と敵対した魔王はもう倒した。今のおまえは中世の魔王じゃない。元ジール王国の王子ジャキだ。現代では人間も魔族も平和に暮らしている。人間と魔族の争いはもう終わったんだ。俺はもう以前の俺とは違う。俺はサイラスのこころざしを継いで戦う。この星の全ての生命の敵、ラヴォスと。俺やおまえの人生を狂わせた全ての元凶と」
魔王「そうか…おまえがそう言うのなら、それでいい」
カエル「おまえとの因縁はこれで決着がついた」
魔王「…カエルの呪いは私が死ななければ解けない。それでもいいのか?」
カエル「ああ。こんな姿だからこそ手に入れたものもある。さ、行くぞ!クロノ!魔王!」
クロノ「ああ!」
魔王「フン…」

クロノと魔王とカエルはサイラスの墓を後にした。そしてラヴォスとの決戦に向けて出発する。





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