クロノ達は虹色の貝殻を探しに巨人のツメまでやってきた。なんでも虹色の貝殻と太陽石を合わせれば強い武器や防具が作れるそうなのである。ラヴォスとの決戦を控えたクロノ達はなんとしても入手したいと思い、手掛かりを探していたのだ。
そして中世のトマという探検家の情報により巨人のツメにあることを知ったのだ。下へ降りていくと…

魔王「原始時代の城か?」
クロノ「ティラン城?こんなところに?」
エイラ「ゾワー!!恐竜人の城、なんでこんなとこ、ある?」
クロノ「ラヴォスが落ちてきた時に地中深く埋まってそのまま遺跡になったのか…」
魔王「ほう。おまえ達は原始時代でラヴォスがこの星に降ってきたのを目撃したのか?」
クロノ「ああ」
魔王「興味深いな。さっそく中を探索しよう」

最深部でクロノ達は虹色の貝殻を発見した。

クロノ「これが虹色の貝殻か」
エイラ「きれい!大きい!これ、食べられるか?」
クロノ「あ、あのなあ」
魔王「私には似合わぬ色だ……」
クロノ「ぶっ、魔王まで変なこと言うなよ!」
エイラ「魔王、おまえ、面白いヤツ」

クロノとエイラは大笑いした。

魔王「笑いをとる為に言ったのではないのだがな…」
クロノ「それにしても重いな。これじゃあ運べないよ」
魔王「誰かに運ばせるか?」
クロノ「そうだなあ。ガルディア城から応援を呼んでこよう」
魔王「そうか。なら私は一旦仲間から外れよう。魔王である私がガルディア城へ行くのはまずい」
クロノ「…そうだな」

クロノ達は中世のガルディア王に頼んで虹色の貝殻を運んでもらうことにした。

クロノ「せっかく虹色の貝殻を見つけたのに、ガルディア王国の人に運んでもらうので精一杯だ。早く強い武器や防具を手に入れたいな」
魔王「この時代で待っていては時間がかかるな。クロノ、おまえの時代へ行こう」
クロノ「そうだな。ってことは現代のガルディア城へ行くのか…」
魔王「何か問題があるのか?」
クロノ「いや、その…どうしようかな…マールがいれば大丈夫かな…?」

クロノは以前の王国裁判、刑務所脱出の経緯、マールの出自などを話した。

魔王「ほう。おまえはそんな大胆なことをやってのけたのか。さすがは未来を変えようとするだけはあるな」
クロノ「マールが王女様だなんて知らなかったんだよ。だけど、特に大臣には嫌われてるみたいだったしなあ」
エイラ「マールなら父親のこと気にしてたぞ」
クロノ「そうか。じゃあマールと一緒に現代のガルディア城へ向かおう」

現代のガルディア城へ向かうと、なんということだろうか、王が裁判にかけられていた。

クロノ「俺達が虹色の貝殻を運ぶように中世の王に頼んだことでこんなことが起きるなんてな」
魔王「確かに予想外だ」
マール「早く虹色の貝殻を見つけましょう!」

地下で虹色の貝殻と共に手紙を発見。

魔王「手紙があるぞ。燃やすか?」
クロノ「魔王!おまえってヤツはどうしてそうひねくれてるんだよ!」
魔王「ほっとけ」

手紙はリーネからのものだった。そして虹色の欠片を持って王の無実を証明するクロノ達。すると大臣が正体を現す。なんと中世で大臣に化けていたヤクラの子孫がまたしても現代で大臣に化けていたのだ。見事倒しマールは父親と和解する。

ピエール「クロノ君、弁護士のピエールです。あなたの無実は完全に証明されました。これからは安心して暮らせますよ」
クロノ「ありがとう。ピエールさん。ふう…これで一件落着だな」

城の人達の話を聞くと、大臣は以前から様子がおかしかったようだ。

クロノ「俺達が歴史を変えたから、ヤクラの恨みも残ったんだな。それで俺を恨んで裁判で罪をきせようとしたんだ」
魔王「すまなかったな、クロノ」
クロノ「え?何でおまえが謝るんだ?」

魔王「ヤクラは魔族だ。私の配下にあった」
クロノ「でもそれは関係ないと思うけど」
魔王「それよりせっかく虹色の貝殻を手に入れたのだ。早く武器防具を作ってもらおう」
クロノ「そうだな。実は、この時代には古代から飛ばされた命の賢者ボッシュがいるんだ。ボッシュに頼もう」

クロノ達はボッシュに強い武器防具を作ってもらった。



魔王「だ・か・ら、何でメガネを作るんだっ!私はメガネが嫌いなのだ!全くルッカ親子といい命の賢者といい…ぶつぶつ…」
クロノ「別にいいじゃんかー」
魔王「おまえは強い刀を作ってもらって喜んでいるのだろう?」
クロノ「ああ!見ろよ!カッコいいだろー?」
魔王「フン…」
クロノ「そうだ、魔王、今夜チョラス町のパブに行こうぜ!」
魔王「何だいきなり」
クロノ「ん〜決戦前におまえと一杯飲むのもいいかなって思ってさ」
魔王「フン、いいだろう。しかし何故チョラスまで行くのだ?」
クロノ「だってここじゃみんな俺が未成年だってこと知ってるし」
魔王「フン、まあいいだろう。行くぞ」



クロノ「ぷは〜っ!やっぱ酒飲むのは楽しいよな〜」
魔王「おまえは酒の味を語るには若すぎるのではないか?」
クロノ「おっさんくさいこと言うなよ〜あ、そう言えばおまえって今何歳なんだ?」
魔王「もう歳を数えるのも忘れたな」
クロノ「ふーん、そうか。じゃあ俺が決めてやるよ。今日からおまえは30歳だ!」
魔王「…勝手にしろ!」
クロノ「へへっ」

ふと、クロノは真面目な顔になった。

クロノ「明日、とうとうラヴォスと決戦だ。黒の夢に乗りこむ」
魔王「シルバードを使えば直接1999年に行けるぞ。それに時の最果てにもラヴォスへ通じるゲートがある」
クロノ「うん。だけど、やっぱり気になるんだ。あの黒の夢が」
魔王「あれはおまえが死んだ後しばらくして突如空中に現れた。海底神殿のようにも見えたが…」
クロノ「マールが言ってた。あれは俺達を呼んでるみたいだって」
魔王「あれからは巨大なゲートの反応があった。シルバードの時空ジャイロが乱れ、ロボは強大な精神エネルギーが測定できると言っていた」
クロノ「エイラが言うには、あれは俺達を憎んでいるんだってさ。エイラの直感だから間違いないと思う」
魔王「原始時代の人間の直感か…確かに当たっているだろうな。我々を憎んでいるのだとすればやはりあの中には…」
クロノ「ジールがいるのかな…」

魔王「…時の賢者が言うには、力に頼り、力に取り込まれた愚かな心だと言っていた」
クロノ「時の賢者?」
魔王「時の最果ての老人だ」
クロノ「えっ?あの爺さん、時の賢者だったの?」
魔王「そうだ。おまえにはきちんと話していなかったな」
クロノ「そうだな。自分が死んだとか生き返ったとか、心境的にそれどころじゃなかったもんな。へえ、あの爺さんが賢者…」
魔王「だからおまえ達も時々助けられていただろう」

クロノ「そうだな。でも黒の夢の正体はまだ不明だ」
魔王「時代をまたがり出現するなど並大抵の力ではないな。あれもラヴォスを呼び起こそうとしているようだが…」
クロノ「やっぱりジールがいるんじゃないか?いいのか?魔王、おまえ、母親と戦うことになるかもしれないんだぞ」
魔王「望むところだ。正気を失った憐れな母親を葬ってやるのも息子の役目だ」
クロノ「辛く、ないか?」
魔王「大丈夫だ。安心しろ。明日の決戦に必ず勝ち、過去を断ち切って見せる。それで全てが終わる。私の狂った人生も復讐もなにもかも…」
クロノ「魔王…俺達仲間がついてることを忘れるなよ!憎しみに染まったりするんじゃねえぞ!」
魔王「ああ…」

クロノ達はとうとうラヴォスへ挑むことにした。星の未来を救う為に。そして魔王は己の決着をつける為に…





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