皇帝の罠に落ちようとしているフリオニールを間一髪で救ったクラウド達。その後フリオニールは皇帝と1対1で戦い、クリスタルを手にした。
集まった戦士達はコスモスのいる秩序の聖域で束の間の休息を取り始めた。

ジタン「あとクリスタルを手に入れてないのはWOLだけかあ。待つのもあと少しの辛抱だな」
ティーダ「全員クリスタルを手に入れたらとうとう決戦が近づいてくるッスね!」
コスモス「そうですね。私はあなた達を信じていますよ」

コスモスはおだやかに戦士達に微笑みかける。

フリオニール「早く来ないかな…WOLと再会したらあの時のお礼を言わなきゃ」
セシル「『のばら』だね」
フリオニール「ああ」
オニオンナイト「みんなそれぞれ記憶の手掛かりとなるものを持っているんだね」
フリオニール「そうだな。俺は『のばら』だ」
セシル「僕は兄さんかな」
バッツ「俺はボコの羽かな」
ティーダ「オレはオヤジかな」
ティナ「私もあるけど…思いだすと辛くなるの」
オニオンナイト「!!いいよ!無理しなくて!ごめん!僕が悪かった」
ティナ「いいのよ。気にしてないから」

クラウド「コスモス」
コスモス「何ですか?クラウド」
クラウド「俺は記憶の手掛かりとなるものが思い当たらないんだ。コスモスは何か知らないか?俺が元いた世界で何をしていたか」
コスモス「それでは良いものをお見せしましょう」

コスモスはにっこりと穏やかに微笑んで、あるものを出した。

フリオニール「こ、これは!?」
コスモス「女装セットです。クラウドは元いた世界で女装をしたことがあるのです」


し〜ん……………


ジタン「コスモス…もしかして嫌がらせ?」
スコール「いや、あの表情からすると天然でやっているぞ」
ティーダ「ブロンドのかつらにシルクのドレス、セクシーコロンまであるッス」
ジタン「コ、コロンまで…!クラウドってそっちの趣味が…?」


クラウド「うわああああーーーー!!!!!」


クラウドは大きな声で絶叫するとものすごいスピードで走り去ってしまった。


・・・・・・・・・・


バッツ「な、なあ、みんな、今のはなかったことにしようぜ」
ジタン「そ、そうだな。俺達は何も見なかった、聞かなかった。そうだよな?みんな。な?な?」

残された戦士達は慌てて頷いた。





バッツ「さてと、今日はティナと何を話そうかな〜たまには花とかプレゼントするのもいいかもな!よ〜し、ティナへのプレゼントを探すぞ〜!」

バッツがティナのプレゼントを考えていると、後ろからものすごい殺気を感じた。

クラウド「覚悟おおおーーーっ!!!!!」
バッツ「おっと」
クラウド「バッツーーーー!!!!!」
バッツ「クラウド?いきなり不意打ちなんかしてきてどうしたんだよ?真剣勝負ならいくらでも受けて立つぜ」
クラウド「黙れ!よくもティナを独占したな!」
バッツ「え?おまえ、もしかしてティナのこと――」
クラウド「先日のようなことがバレたら俺はもうティナに告白なんかできないっ!女装したことのある男なんてティナが振り向いてくれるわけもない…」
バッツ「ティナのこと本気で好きだったのはオニオンナイトだけじゃなかったんだな」
クラウド「うるさい!こうなったらヤケだ!吹き飛べ!(破晄撃)」
バッツ「そうはいくか!行っくぜーーーーーでやっ!(旋風斬)」
クラウド「く…くっ…」





バッツ「あ〜危なかったなあ。クラウドもティナのこと本気で好きだったのか。それにしても、やっぱりオニオンナイトのものまねは強いな。あいつのティナへの想いも尊重してやりたいけど…」
ティナ「あ!バッツ!どこへ行っていたの?」
バッツ(ティナはどうも俺が気になるみたいなんだよなあ〜)

バッツは頭をかいた。

バッツ「あ、悪い悪い、ちょっと、な。ティナに似合いそうな綺麗な花とかないかな〜って思ってたんだけど」
ティナ「この世界には花が咲きそうな場所がないわね…」
バッツ「そんなことないさ、フリオニールだってのばらを持っていたんだからな。今度会う時までティナに似合いそうな花を見つけてくるよ。約束な!」
ティナ「バッツ…無理しなくてもいいのよ。私はあなたと一緒にいられるだけでとても嬉しいの」
バッツ「ティ、ティナ!」
ティナ「あなたが好きよ、バッツ」

バッツは一気に赤面してしまった。

バッツ「お、俺もティナが好きだよ」
ティナ「嬉しい…」

ティナは可愛らしく頬を染めた。バッツは思わずティナに駆け寄り抱きしめようとした。その時――

オニオンナイト「ティナ!どこにいるの――あっ!」
バッツ「あっ!オニオンナイト、俺は何もしてないからな!ホントだぞ!」
オニオンナイト「当たり前でしょ!ティナに何かしたら僕が絶対に許さないから!」
ティナ「2人共何の話?」
バッツ「いや、何でもないんだ」
オニオンナイト「ティナ!その…バッツとばかりじゃなくって…もう少し…他のみんなとも…」
ティナ「そ、そうね、ごめんなさい」



バッツ「ふう…全くティナはモテるよなあ…おかげで今日は散々だったな。でも…ティナが俺のことが好きだというのなら…」

バッツはティナのことで本格的に悩み始めた。





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