エドガーはいつものように政務を行っていた。すると、家来の1人が王の間に入ってくる。

家来「陛下、旅の踊り子が陛下にお目通り願いたいと申し出ております」
エドガー「何?踊り子か。よし、政務が終わったら連れてこい」
家来「はっ」



政務が終わり、踊り子が入ってくると、王の間の者達は皆踊り子の美しさに心を奪われた。

「おお…!なんと美しい!」

踊り子は晴れやかな美しさと妖しい艶めかしさを兼ね備えた熟女であった。

エドガー「旅の踊り子よ。フィガロへようこそ。名は何と言う?」
「バーバラと申します」

美声が踊り子の形の良い唇から発せられる。艶やかな物腰と言い、男なら誰でも夢中になりそうだ。

エドガー「バーバラか。良い名だ。そなたの踊りを見せてもらおうか」
バーバラ「陛下の御心のままに」

バーバラは華麗な舞を踊り始めた。しなやかな身体が鈴やレースと共に舞う。艶めかしい媚態、品。その踊りには男達全てが魅入ってしまった。エドガーもつい我を忘れて見とれていた。



いつまでそうしていただろうか。気がつくと踊りは終わっていた。

エドガー「…見事だ。褒美をつかわそう。そして今宵は私と共に過ごそうではないか?踊り子バーバラよ」
バーバラ「はい」



エドガーはバーバラという踊り子にすっかり夢中であった。盛大にもてなし、さっそく口説きにかかる。しかしバーバラは妖艶な笑みを湛えながらなかなか落ちない。そのわざと焦らすような態度が一層エドガーを虜にさせる。エドガーはバーバラをテラスへ招いた。

エドガー「バーバラ、君の様な美しい女性に会ったのは生まれて初めてだ。どうか今夜は私と共に過ごしてくれ」
バーバラ「あら、ダメですわ、そんなこと」
エドガー「何故だ?そう焦らさないでくれ、マイレディ。素敵な一夜を過ごさせてあげるよ」
バーバラ「本当は決まった人がいるんでしょう?」
エドガー「そんなことはない。今の私には君しか見えないのだ。男として君を満足させて上げられるよ、私は」
バーバラ「フィガロ王の女好きは有名ですものね。でもダメよ」
エドガー「何故だ?」

するとふいにバーバラの口からトーンの低い声が出た。

バーバラ「だって、アタシ、男なんですもの♡」

そう言うなり、バーバラは女装を解いた。艶やかな髪が流れ落ちる。それはかつらで、豊満かと思われた胸にはパッドが。中身は立派な であった。

エドガー「……!!」

エドガーの頭に亀裂が走り崩壊していった…





マッシュ「ゴゴ!おまえ、一体兄貴に何をしたんだ?兄貴は謎の40度の高熱を出して寝込んじまったぞ!」
ゴゴ「ふっふっふ。今回のものまねはなかなか面白かったな。これでエドガーの女好きが治れば作戦成功!」
マッシュ「ハッ!兄貴の女癖…!」
ゴゴ「確かめてきたらどうだ?」



マッシュ「兄貴、入るぜ」
エドガー「う~…う~…」
マッシュ「兄貴、一体何があったんだ?
エドガー「う~…う~…」
マッシュ「…女遊びで酷い目にでも遭ったのか?」

マッシュがそう言うとエドガーはびくっと反応した。

エドガー「あ、悪夢だあーー!!!!!
マッシュ「何がだよ?」
エドガー「も…もう二度と…手当たり次第に女を口説くのはやめる…」
マッシュ「そうか!もうティナ一筋になるんだな?」
エドガー「…ティナ!そうだ私にはティナがいる!彼女だけが私の天使…!」

そう言うとエドガーは起き上がって着替え始めた。

マッシュ「おいおい!まだ熱は下がってないんだろう?どこへ行く気だ?」
エドガー「もちろんティナの元へだ!」
マッシュ「お~い、待てよ、兄貴~!」





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