晴れてロックとティナは恋人同士になった。それ以来、2人は幸せな日々が続いた。ロックはトレジャーハントを再開し、世界中の財宝を探して回ってはモブリズの村へ戻り、お宝を自慢したり、ティナや子供達へのお土産を持って帰ったりしていた。
ロックとティナは毎日お互いを抱擁し、口づけを交わす。何とも言えない、甘い、甘い、幸せな日々。ティナはロックがすっかり元気になったのを心底喜んでいた。そして愛する男性と両想いであることに未だ嘗てないほどの幸福感を感じていた。



しかし――

ある日――ティナはロックについて行った。

ティナ「ロック!今日のトレジャーハンティングは何?」
ロック「ティナ、ここにはすごいお宝が眠っている。そいつを見つけ出すんだ。ティナはいつものように村で待っててくれよ」
ティナ「……………」
ロック「ティナ?」
ティナ「何だか胸騒ぎがするの。とても嫌な予感………!!ロック!危ない!!!」

ティナはロックを突き飛ばした。急に地震が起き、ロックが先程までいた場所は崩れ落ちていた。ティナは崖から下へ落下していった…

ロック「ティナ!!!!!…そ、そんな!これじゃあの時と同じじゃないか!!!」

ロックは必死になってティナを救出した。気を失っているティナを見たロックは恐怖にかられた。もし昔のレイチェルのように記憶を失っていたら…?

ロック「ティナ!ティナ!しっかりしろ!俺はもう二度と失いたくないんだっ!!!!!」

ティナの身体を必死にかき抱く。

ティナ「……………ロック?」
ロック「ティナ!気がついたか!俺のこと覚えてるか?」
ティナ「何言ってるの。当たり前じゃない。私がこの世で最も愛する人を忘れるわけがないわ」
ロック「…ティナ!!!!!」
ティナ「ロック…?泣いてるの?」
ロック「ティナ…無事で良かった…本当に良かった…!!」
ティナ「私は元々戦士だから身体も丈夫だわ。これくらい平気よ」
ロック「いや、今日のトレジャーハントは中止だ。すぐに村へ戻ろう」

そう言うと、ロックはティナを抱きかかえてモブリズへ帰った。





ロック「どうして今日に限ってついてこようとしたんだ?」
ティナ「言ったでしょ。胸騒ぎがして嫌な予感がしたって。でも本当に良かった。ロックが無事で」
ロック「良くない!その代わりティナはこんな大怪我をして!当分安静にしているんだ!…ああ…俺はやっぱりダメな男だ。恋人を2度もこんな目にあわせるなんて…」
ティナ「2度も?」
ロック「レイチェルの時もそうだったんだ。そしてその後あいつは記憶を失くし…」
ティナ「私は大丈夫よ、ロック」
ロック「ティナ…本当に…すまなかった…!!」
ティナ「いいのよ、ロック」

その後、ティナの怪我が治るまでロックは必死に看病していた。



ティナ「ロック、そんなに必死に看病してくれなくても私は大丈夫よ。もう怪我もだいぶよくなってきているし」
ロック「…ティナ、俺はもう決めた!トレジャーハンターはやめる!」
ティナ「え?」
ロック「この職業のせいでレイチェルを失い、ティナも危うく失うところだった。もうこんな思いはしたくないんだ!!」
ティナ「それじゃあこれからどうするの?」
ロック「地道に働くさ。そして、ティナと結婚する!」
ティナ「…!!ロック!」
ロック「ティナ、愛している。俺はこの通りダメな男だけど、これからは何にでも最善を尽くす!何よりもティナの為に!だからお願いだ、俺と結婚してくれ!!」

ティナは涙を流した。

ティナ「ロック…嬉しい…」





ティナの怪我が完治すると、ロックは行き先を告げずに出かけて行った。しばらくして戻って来た彼はティナを部屋に呼び寄せた。

ティナ「ロック、お帰りなさい。一体どこへ行っていたの?」
ロック「指輪だよ。俺達これから結婚するだろう?」

そういうと、ロックは指輪を取り出し、ティナの左の薬指にはめた。

ロック「ティナ、愛している」

そう言うと、ロックはティナを抱きしめた。

ティナ「ロック…」

その後、2人は長いこと厚い口づけを交わし続けた。





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