ガシャーン!


「ティナママ!?」
ティナ「…うっ…」

ティナは慌てて洗面所へと走った。

ロック「ティナ!どうしたんだ!」

ロックも慌てて後を追いかける。すると、ティナは洗面所で激しく嘔吐していた。

ロック「ティナ!ティナ!しっかりしろ!」

ティナは嘔吐物を全て吐き、口を綺麗にすすぐと、ばったりと倒れてしまった。かろうじてロックが抱きとめる。

ロック「ティナ!」
「ティナママ!!」
ロック「ディーン!カタリーナ!医者を呼んできてくれ!今すぐにだ!」





ロックのティナへの溺愛っぷりは相変わらずすごい。ティナが急に食べ物を戻して倒れてしまったのを目撃した彼は完全に血相を変えて、ディーンに医者を呼ばせた。ティナの目が覚めてから医者へかかるという発想は彼にはなかった。何せ自分の命より大切な、世界で最も愛しい妻が倒れたのである。もしかしたら重病かもしれない。動かすなんてもっての外だ。そうして彼はティナの看病を続けながら医者が来るのを今か今かと待っていた。





ロック「先生、それで、ティナは…」
医者「安心しなさい。これは病気ではない。おめでただよ」
ロック「えっ?」
医者「おめでとう。君達夫婦に子供ができたようだよ」

ロックはしばらく呆然としていた。





ティナ「…う…」
ロック「ティナ!目が覚めたか!」
ティナ「ロック…」

ティナは黙って下腹部に手をやった。

ティナ「ロック…どうやら私、赤ちゃんができちゃったみたい…」
ロック「あ、ああ、医者もそう言っていたよ」
ティナ「やっぱりそうなのね…」
「ティナママー!お部屋、入ってもいい?」
ロック「おまえ達、ティナはたった今、目が覚めたところなんだからな。入ってもいいけど静かにしてるんだぞ」
「はーい」
「はーい」
ロック「ディーン、カタリーナ、ごくろうだった。みんな入ってくれ。大事な話がある」

孤児達はみんなティナのベッドの周りに集まり、心配そうに見ていた。

「ティナママーもう大丈夫?」
「顔色悪いよー」
ティナ「大丈夫よ。これは病気ではないのだから」
「えっ?」
カタリーナ「ティナ!まさか!」

ティナは黙って頷く。

ロック「みんな、聞いてくれ。俺達に子供ができた。ティナは今、お腹の中に赤ちゃんがいるんだ」


えーーーーっ!!!!!?????


カタリーナ「ティナ、おめでとう」
ティナ「ありがとう、カタリーナ」
「ティナママ、これから本当のママになるんだね」
「おめでとう!」
「おめでとう!」
ロック「そういうことだ。ティナ、これからは今まで以上に大事な身体だ。絶っっっっっ対に無理しちゃ駄目だぞ!!!!!」
ティナ「そうね。お腹の子の為にたくさん食べなきゃ。大切なあなたとの子供だもの。無事に生みたいわ」
ロック「も、もちろんだ」

ロックは思わず赤くなる。

ティナ「カタリーナ、あなたは私より一足先に赤ちゃんを産んでいるわ、いろいろアドバイスしてくれる?」
カタリーナ「もちろんよ。ティナにはいつもお世話になっているもの」
「ティナママに赤ちゃんが生れるのかあ〜」
「楽しみだなあ〜」
ロック「こらあ、おまえ達!これからはティナのことは何かと気づかってやるんだぞ!何せ大事な身体なんだからな!」





こうしてティナは懐妊したのであった。





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