シーザーはエリザヴェータを皆に紹介した。そして伝承法の限界と七英雄の秘密についても皆に知らせた。人々は驚きに満ち、動揺を隠せなかった。
それからしばらく後、皇帝継承が行なわれ、シーザーが帝位に就いた。皆の期待を一身に浴びて最後の伝承法を授かる。神秘的な光がシーザーに降り注ぎ、今までの歴代皇帝の記憶と共に溢れんばかりの力が湧いてきた。記憶と力を受け継いだのである。無事皇帝継承が終了したその時、側近が慌ててやってきた。

側近「陛下!このような書状が」

『レオンが封印したダンジョンで待つ クジンシー』

シーザー「ついに来たな」
「陛下!最後の戦いには是非私をお連れ下さい!」
「陛下、私を!」
「私を!」

アバロンの兵士達は次々と名乗りを上げた。これが最後の戦いになるのだ。是非自分の力を皇帝と帝国の為に役立てたい。皆そんな思いでいっぱいだった。数多くの申し出を受けシーザーは熟考した末に共に連れていく者を決めた。

シーザー「エリザヴェータ、ハンニバル、アウ、コウメイ、私と共に来てくれ」
エリザヴェータ「もちろんよ!」
ハンニバル・アウ・コウメイ「「「命の限り戦います!」」」

即位して早速七英雄討伐。腰を落ち着ける暇もない。政務は全て側近達に任せ、シーザーは出陣の準備を始めた。





さて、女というものはいつの世も変わらないものである。シーザーはたぐい稀な才能を持った美男子である。完璧に整った顔立ちに加え、学問も武術も全て優秀な万能戦士。しかも皇帝である。女達の憧れの的にならないはずがなかった。

「シーザー様って素敵よねえ」
「顔も性格も、戦士としても完璧で、あれほど全ての条件が整った男性は他にいないわ」
「皇帝として即位されたからには、いつかお妃様をもらうのかしら」
「今は七英雄との戦いに集中されているけれども、いずれは誰か娶るはずよ」
「私、アタックしてみようかしら」

肝心のシーザーは女達の黄色い声にも無反応だった。それを見たエリザヴェータは面白くない顔をする。

エリザヴェータ「へえ、シーザーってモテるのね」

そこへシーザーがやってきた。

シーザー「エリザヴェータ、ここにいたか。準備は整ったか?」

エリザヴェータは眉を吊り上げてシーザーを睨む。ひどく不機嫌なようである。一体どうしたのか。心当たりのないシーザーは面食らう。

シーザー「どうかしたのか?随分と機嫌が悪いようだが」
エリザヴェータ「別に。それより、わかっているでしょうけどクジンシーの得意技はソウルスティールよ」
シーザー「ああ。レオン帝が命がけで見切った技だ。皆も覚えておいてくれ」





シーザーは共を連れて封印の地へ向かった。かつてレオン帝が探索したところよりもずっと地下深くまで下りていくとクジンシーが待っていた。

クジンシー「やっと来たか。長かったぞ。待つのは飽きた。さっさと始めるぞ!」

クジンシーは手下のモンスターを使役してシーザー達を襲わせた。

「聖光!」
「退魔神剣!」
「セイントファイア!」

次々と襲い来るアンデットモンスターを撃退するシーザー達。

クジンシー「さすがにやるな。しかしこうでなくては楽しみがない。行くぞ!ソウルスティール!」

クジンシーは得意技のソウルスティールを連続で使ったが、全てのメンバーに見切られている為、全て不発に終わった。

クジンシー「な、なに〜!俺の必殺技が!」

シーザー「皆、行くぞ!」

「千手観音!」
「無明剣!」
「高速ナブラ!」
「下り飛竜!」
「クリムゾンフレア!」

得意技をあっさりかわされ、シーザー達の猛攻撃によりあっけなく倒されるクジンシー。

クジンシー「ひ、ひげー!またやられるとは〜〜なんで俺だけが2回も〜〜」

シーザー「よし、やったぞ!残るはスービエだけだ!」

復活したクジンシーを倒した後、最後の1人となったスービエは氷海から姿を消した。シーザーは臣下に命じて調査を行った。七英雄の本体は一体どこに隠されているのか。





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