エリザヴェータ「シーザー」
ある日、シーザーは急に呼びかけられた。振り向くとエリザヴェータが手に何かを持っている。
シーザー「どうかしたのか?」
エリザヴェータ「あなたにこれをあげるわ」
それは神秘的な輝きを宿した指輪だった。
エリザヴェータ「この指輪は精神を守る効果があるの。これを身に着けていれば混乱したり魅了されたりしなくなるわ」
シーザー「それは貴重なアクセサリだな。ありがとう」
エリザヴェータ「いいこと?シーザー」
エリザヴェータはキッとシーザーを睨みつけた。
エリザヴェータ「ロックブーケのテンプテーションにかかったら絶対に許しませんからね!」
シーザー「え?」
エリザヴェータ「絶対にこの指輪を身に着けて外しちゃダメよ!いいわね!わかったわね!」
何やらものすごい剣幕で言われ、シーザーは思わずたじたじとなった。どのみち皇帝としてロックブーケのテンプテーションにかかるわけにはいかなかった。テンプテーションなら既に過去の先帝が見切っていたのだが、エリザヴェータの様子を見ているとそんなことは言えなかった。
そして――
「陛下!ナゼール海峡の南方、大氷原にモンスターが続々と集結中との知らせがありました!どうやら七英雄はそこに潜伏しているようです!」
シーザー「そうか!ついに来たな!いよいよ決戦の時だ!」
とうとう七英雄の居場所が判明した。シーザーはエリザヴェータやハンニバル達を伴い、最終決戦へ向けて準備を始めた。アバロンの人々に見送られ、最後の決戦へ向かう。その時、子供達がやってきた。
「へいか、これ千羽鶴って言うんだよ」
「へいか、これ、僕達のお小遣いを貯めたんだ。鶴とお小遣い、陛下にあげる」
シーザー「ありがとう。これを見ていたらどんなことも乗り越えられそうだ」
「へいか、無事に帰ってきてね」
「絶対だよ。約束だよ」
シーザー「ああ。約束する」
シーザー達はナゼールに向かった。ナゼール海峡を渡り、さらに南にある大氷原へ。氷海の彼方の大地に猛吹雪が荒れ狂う。そこには凶暴なサイクロプスや氷竜が徘徊していた。だが伝承法を使って強くなった今のシーザー達の相手ではなかった。強力な技や術で止めをさす。氷原の奥に魔法陣を見つけ、そこからさらに奥へ行けるようだ。最終決戦は近い。大氷原の果て、地中深くに埋もれたダンジョン。そこには全ての系統のモンスターがいた。次々と襲いくる魔物を蹴散らし、さらに奥へ。そこには最後に残った七英雄であるスービエがいた。
スービエ「ふふっ、海の中には手出しが出来なかったようだな」
シーザー「勘違いするな。おまえを後回しにしたのはあらかじめ計算ずくだ」
スービエ「何?」
シーザー「おまえが海の主と同化しようとしていた。それを先帝が防いだのだ。だからおまえは同化の法を使えずにいる。弱いままだ。だから後回しにしていたのだ」
スービエ「何をっ!このスービエの攻撃は他の奴らとは一味違うぞ!」
スービエは得意技のメイルシュトロームを使って攻撃してきた。スービエは雷に弱い。こちらは雷の技や術で攻撃した。
エリザヴェータ「稲妻斬り!」
シーザー「雷殺斬!」
アウ「電光ブーメラン!」
ハンニバル「稲妻突き!」
コウメイ「召雷!」
スービエ「がはっ、ワグナスがやられるわけだ…だが、ワグナスが禁じた最後の手段を使って…」
スービエはよろよろと奥に入っていく。どうやらそこが七英雄の本体の場所のようだ。シーザーは子供達からもらった千羽鶴と10クラウンを使った。そして必ず約束を守って生還するのだと心に決めた。
シーザー「皆、準備はいいか?」
エリザヴェータ「もちろんよ!」
ハンニバル・アウ・コウメイ「この命に代えても陛下をお守りします!」
シーザー「そうか。皆、ありがとう。それでは行くぞ!」
シーザー達は七英雄の本体の元へ向かった。最終決戦目前。レオン帝から始まる歴代のバレンヌ皇帝の悲願達成は近い。死力を尽くして戦いに臨む。
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