ミカエルはマスコンバットで第二次遠征の途中である。今度の敵は神王教団。リブロフの出城の攻防戦後、敵を追ってアクバー峠へ。敵が砂漠へ逃げ込む前に捕まえたい。今回は峠での戦い。敵が坂道の上にいる為、こちらは不利である。ミカエルは疾風陣で速攻前進を行い、上り坂にもかかわらずどんどん攻めていった。敵が全軍突撃をしてきたらこちらも全軍突撃で返す。そして見事勝利を掴んだ。
しかし敵軍はまだ残っていた。ミカエルはとうとうナジュ砂漠まで軍を進めることになった。砂漠では水と食料が続かない。だが神王教団はミカエルの軍をやすやすと帰すつもりはなかった。



ここは神王の塔。エレン・カタリナ・トーマスパーティーは手分けしてマクシムスを探していた。特にカタリナは奪われたマスカレイドを取り戻す為、ノーラは親方の仇を討つ為、人一倍意気込んでいた。しかしマクシムスの作った塔の構造は複雑で厄介だった。先へ進むスイッチを発見したのはいいが、誰かがそのスイッチの上に乗って押さえておかないと元に戻ってしまうのである。仲間達はカタリナとノーラを優先させ、スイッチを押さえて二人を先に進ませた。しかし他にも罠があった。途中で罠にかかってノーラがいなくなってしまった。カタリナは一人になってしまったが、毅然としてマクシムスを探し続けた。
そしてとうとうマクシムスの居場所を発見する。

「やるな、ここまでたどり着くとは。大した奴だ。だが、ここで消えてもらうぞ。俺の邪魔はさせん!」

マクシムスとの戦いが始まった。しばらくすると配下のマクシムスガードが現れる。彼らは聖王遺物を手にして攻撃してきた。しかし、聖王遺物の性能をきちんと理解していないらしく、あまり使いこなせていなかった。そのうち途中ではぐれたノーラやスイッチを押さえていた仲間達が戻ってくる。こちらもカタリナパーティーは全てそろった。

「マクシムス、覚悟なさい!」
「親方の仇!」

カタリナに同行していたブラックは不審な目でマクシムスを見る。マクシムスの正体は海賊ジャッカル。かつてブラックが喉を掻っ切ったはずなのだが…

「ジャッカル!どうやって生き延びたかは知らねえが、これが年貢の納め時だ!」
「ブラック!くそっ!てめえさえいなければ俺の正体がバレることもなかったのに!」

マクシムスガードはどんどん増えていったが、カタリナ達は必死に戦った。エレン・トーマスパーティーが駆けつけた頃には勝負はついていた。マクシムスを倒すといくつかの聖王遺物が手に入った。栄光の杖、マスカレイド、聖王の槍、七星剣、魔王の斧。

「マスカレイド……とうとう取り戻したわ!」
「とうとう親方の仇を取ったわ!」
「エレン、あなたは四魔貴族と戦う為に聖王遺物も集めていたわね。残りの栄光の杖と七星剣、魔王の斧はあなたにあげるわ」
「ありがとう、カタリナさん」

エレンも本当はマクシムスとの戦いに加わりたかったが、その前に決着がついてしまったのを密かに残念に思った。しかし長い間手がかりがつかめなかったマスカレイドをカタリナが取り戻すことができたのが何よりだと喜んだ。

「マクシムスが集めていた聖王遺物も手に入れたし、早くリブロフに戻ってハリードのところへ行かなきゃ。あいつ、きっと拗ねてるわ」

一行はマクシムスを討ち取ったことをティベリウスに報告した。その頃、ティベリウスは配下の信者にマクシムスの今までの所業を調べさせていた。悪行の数々が白日の下にさらされる。手段を選ばぬ方法で聖王遺物を集めていたことの他にも、マクシムスは教団の地位を利用してあくどいことをたくさんやっていたようだ。

「なんということだ。わしのあずかり知らぬところでマクシムスがこんなことをしていたとは」

その時、他の信者が報告に来る。

「ティベリウス様、大変です!シャルル将軍がナジュ砂漠にて、ロアーヌ候ミカエルと交戦中です!」
「な、何だと!」

神王教団はかつてゲッシア朝ナジュ王国を滅ぼした、軍隊を持つ宗教団体である。あれ以来、ティベリウスはシャルルという将軍に教団軍を任せていたのだ。そのシャルルがティベリウスに黙って勝手な行動を起こしているのだ。

「シャルルめ、信者の兵士達をどうするつもりだ」

ティベリウスは頭を抱えた。この神王教団はいずれ現れる神王のものである。その為にティベリウスはありとあらゆる手段で教団を築き上げてきた。だというのにティベリウスの知らないところで勝手なことをしている者達がいるのである。これは一大事だ。一度全ての信者を集め、教団の組織体系を見直さなければ。もうこれ以上勝手な行動を起こす者を出さないように命令系統も徹底しなければならない。

ミカエルがナジュ砂漠で戦をしているという知らせはカタリナにも伝わった。

「ミカエル様が…」

長い間探し求めていたマスカレイドを取り戻し、晴れてロアーヌへ帰ることができると思った矢先だった。



「トーマス社長!神王の塔でアビスリーグに加盟している物件を調べました!」

トーマスカンパニーの秘書が社長であるトーマスに報告にやってくる。それを聞いてティベリウスはまた顔色を変えた。

「アビスリーグだと!何だそれは!」

トーマスは事情を説明した。神王教団は今となっては国に匹敵するほどの一大勢力となっている。このナジュ砂漠一帯は教団による統治が行われている。経済界での不審な動きも看過するわけにはいかなかった。ティベリウスは神王による全世界の支配、それによる全世界の平和と繁栄を望んでいる。ティベリウスは一大勢力となった神王教団の指導者として多忙になった。



一方、ハリードは――

「くそっ!あいつら俺をのけ者にしやがって!そっちがその気なら俺にも考えがある」

神王の塔攻略の都合でパーティーから外されたハリード。彼は今、一人ルーブ山地を上っていた。今までリーダーとしてパーティーを指揮っていたのにもかかわらず、仲間から外された憤りで悪態をつく。襲い来るモンスターも全体攻撃技であっという間に蹴散らし、グゥエインの元へ行く。ハリードはかつて四魔貴族のビューネイと戦う為にグゥエインの協力を得た。共闘したハリードとグゥエインは戦いを通じて友情が芽生えていた。ハリードを見るとグゥエインは豪快に笑い、歓迎した。

「おまえか。よく来たな。せっかく来たんだ。これを持って帰れ」

グゥエインの巣にある金、一万オーラムをもらった。がめついハリードは顔色が変わる。

「グゥエイン……!!おまえは真の友だ!!」

グゥエインはまた豪快な笑い声を上げる。竜の雄たけびが巣の外にまで鳴り響いた。

「ところで前に来た時は連れがいたようだが、今日は一人か?」

ハリードは今までの事情を一通り説明した。ハリードは元ゲッシア朝ナジュ王国の王族であること。神王教団によって祖国を滅ぼされたこと。今はアビスゲートを閉じる為に四魔貴族と戦う旅をしていること。四魔貴族と戦う為に聖王遺物を集めていること。神王教団のマクシムスという男がいくつかの聖王遺物を集めて持っていること。マクシムスは現在神王の塔にいること。そして――ハリードは祖国を滅ぼした神王教団に復讐する機会をうかがっていること。

「成程な。そうだったのか。ならば神王教団など滅ぼしてしまえばいい!」

グゥエインは凶悪な雄たけびを上げた。

「グゥエイン、俺を乗せて神王の塔まで連れて行ってくれ」
「いいとも、我が友よ!さあ乗れ!」

ハリードはグゥエインの背に乗った。黒き竜は大きな翼をはためかせ、大空に向かって飛び立った。向かう先は神王の塔。





マクシムスと直接決着をつける役はやはりマスカレイドを取り戻す為に旅していたカタリナにしました。
そしてミカエルの神王教団相手のマスコンバットなど、一連のイベントを一気にやることにしました。


で、

リストラされたはずのハリードですが、主役なので引き下がりません。グゥエインに乗って神王の塔へ向かおうとします。
グゥエインって、ビューネイを共に倒した後、小さな村が崩壊する前に会いに行くと一万オーラムくれるんですよね。
さてさて、私の完全なオリジナルの話になりますが、また続きを楽しみにして頂ければ幸いです。



次へ
前へ

二次創作TOPへ戻る