トーマス達はドフォーレ商会と決着をつける為、ヤーマスにやってきた。ドフォーレは不敵な笑みで待ち構えていた。
「フハハハハハハ!来たなトーマス、フルブライト、そしてロビン!この前の仕返しをしてやるぞ!わしはアビスから多額の資金を手に入れている。おまえ達に買収などされん!そしてアビスからの強力な味方。悪魔系モンスター最強のアスラ先生がおまえ達を八つ裂きにしてくれる!」
ドフォーレはアビスリーグの資金を使って次々とヤーマスの物件を買収していた。そして悪魔系モンスター最強のアスラを10体も引き連れていた。アスラを使って人々を脅していたのだ。
「どうだ!さすがのロビンもアスラ先生10体相手ではかなうまい!ハハハハハハハ!」
ヤーマスにはトーマスパーティーの他にミカエルパーティー、カタリナパーティーもやってきていた。そしてユリアンパーティーも。ロビン親子は仲間達に頼んだ。
「みんな、お願いだ。僕達と一緒に戦ってくれ!」
「もちろんだ!」
「トーマス、俺達がアスラと戦っている間にドフォーレを!」
「わかった!」
ドフォーレは憎々しげにロビン親子を見た。
「ロビン親子!おまえ達の正体はもうわかっているぞ!パブ『シーホーク』のライムとトラックス!今までわしの邪魔をしてきたからにはただでは済まさんぞ!」
「僕達だっておまえを許すか!ドフォーレ、今が年貢の納め時だ!」
10体のアスラが襲いかかってくる。そんな中、トーマスはドフォーレにトレードを挑む。ドフォーレは不敵に応じた。
「フッフッフ。ドフォーレ海運の時のようにはいかんぞ。わしはあれから新たなかけひき技を覚えた。『時代の風』と『早馬を使う』だ」
「げっ……」
トーマスは今までこの二つのかけひき技でトレードを有利に運んできた。それを敵も使ってくるのだ。こんな厄介なことはない。慌ててトーマスも『時代の風』と『早馬を使う』を使った。ドフォーレは『高笑い』や『アビス脅し』でトレードを有利に運び、『アビス資金』で大量の金を出してきた。フルブライトも演説で応援するが、トレードは接戦になった。そして……
「物件独立工作!」
「ネマワシ!」
「物件独立工作!」
「ネマワシ!」
「物件独立工作!」
「ネマワシ!」
トーマスは困った。これでは埒があかない。アビスリーグ壊滅の為、これが最後のトレード。強力なグループ技を使ってなんとか有利に持ち込みたい。
「ハハハハハ!アビス資金だ!」
トーマスは自己資金をも使いながら、トレードを進めた。トレード、武器を使わぬ商人の戦いは難航を極めた。そのうちトーマスに不利に傾き、買収に失敗するかと思われたその時――
「わ、わしの金が!アビスがわしにくれた膨大な資金が!」
アビスリーグからの資金は全て偽金だった。コインは全て石ころに変わり、札束はただの紙切れになってしまった。
勝負は一気についた。ドフォーレ商会はトーマスカンパニーに買収された。
そしてこちらはアスラ10体と戦うロビン達。アスラは強敵である。1体倒すのも一苦労なのに10体もいるのだ。ロビン達は仲間の力を借りながら今まで閃いていなかった技で応戦する。それでもアスラには苦戦する。皆、深い傷を負いながら戦っていた。すると――
「何だ?ヤーマスで何が起こってる?」
ハリードパーティーがやってきた。ハリード達はグゥエインと決着をつけたあと、ルーブ山地から戻ってきたところだった。
「ハリード!手を貸してくれ!ドフォーレ商会がアスラを使って人々を脅していたんだ」
「アスラか!ちょうどいい、思う存分戦いたかったところだ」
ハリードは仲間を引き連れてアスラに向かっていった。四魔貴族やその他の強敵を倒してきたハリードパーティーは強かった。アスラを1体、また1体と倒していく。そしてとうとう10体全て倒してしまった。残るは悔しさで歯ぎしりするドフォーレの姿。
ドフォーレ商会は今後トーマスカンパニーの傘下に入ることになった。そして悪事を働かないよう厳重に監視されることになった。これでアビスリーグは壊滅した。ヤーマスの人々はロビン親子を歓迎した。ドフォーレのおかげで正体はバレてしまったが、皆ロビン親子を慕っていた。声援に応えるライムとトラックス。
「ところで今このヤーマスに全員そろってるんじゃないのか?」
ハリードパーティーはハリード、エレン、サラ、少年、レオニード、象
トーマスパーティーはトーマス、シャール、ミューズ、フルブライト、本物ロビンのライム、妖精
ミカエルパーティーはミカエル、ウォード、偽ロビンのトラックスに東方三人組のツィーリン、バイメイニャン、ヤンファンが加わっている。
カタリナパーティーはカタリナ、ノーラ、ウンディーネ、ボストン、ブラック、ティベリウス
「ん?ティベリウス?」
「い、いえ、何でもないのよ、ハリード!」
カタリナ達は慌ててティベリウスをハリードから隠した。ここでまた揉め事が起きては厄介である。
そして残るはユリアンパーティー。ユリアン、モニカ、詩人、タチアナ、雪だるま、ポール。
モニカの姿を見つけたミカエルはすぐさま駆け寄った。
「モニカ!」
「お兄様!」
ミカエルに見つかってしまった。逃げようとするモニカをミカエルは落ち着いて引きとめた。そして久しぶりの兄妹再会として話をする。
「モニカ、おまえにはもう政略結婚を強いることはせぬし、ユリアンを罰することもせぬ。だからロアーヌへ戻って来い」
「お兄様……」
「今すぐに決めろとは言わぬ。私がロアーヌに帰るまでは共に行動してもらうぞ」
その後、メンバーが全員集結したところでハリード達は話し合った。ハリードパーティーはは最後の四魔貴族、魔炎長アウナスのゲートを閉じる為、グレートアーチからアケに向かい、それから火術要塞へ向かう。
「俺達はアウナスのゲートを閉じる為、火術要塞へ向かう。おまえ達はそれぞれどうする気だ?」
「四魔貴族は強敵だ。私はおまえが戻ってこなかったらおまえの代わりにアウナスを討つ」とミカエル。
「それとモニカとユリアンは私と一緒にいてもらうからな」
「は、はい」ユリアンは緊張した面持ちで返事をした。
「私はミカエル様についていきます」とカタリナ。
「俺は以前火術要塞の居場所をつきとめている。ハリード、途中まで案内するよ」とトーマス。
ハリード達は再びグレートアーチへ向かうことにした。今度の目的はイルカ像ではなく、アウナス討伐である。
「ところで、何でわしはこんな扱いを受けねばならんのじゃ?」
ティベリウスはバイメイニャンにより、ソーンバインドの術で捕らわれていた。近くには仲間達がいたが、誰も助けてはくれない。
「ティベリウス、あんたとハリードが鉢合わせしたらまた神王の塔の時みたいになる。だからあんたには悪いけど隠れていてくれ」
「わしだってハリードと事を荒立てたいと思っているわけではないが、これはひどいではないか。わしを解放してくれ。宿命の子も探さねば」
「四つ目のアビスゲートを閉じればいずれわかるはずだ。ティベリウス、それまで大人しくしてくれ」
仲間達の説得により、ティベリウスはハリードから隠れて大人しくしていることになった。バイメイニャンはお構いなしにティベリウスを術で縛り、ずるずると引き摺っていく。
「こら、婆さん、わしを誰だと思っとる!離さんか!」
「うるさいのう。おまえはハリードがアビスゲートを全て閉じるまで大人しくしとれ」
「クソババア!」
「ハゲジジイは黙っとれ!」
ティベリウスとバイメイニャンは互いに悪態を付き合っていた。
次の目的地はグレートアーチ。
アビスリーグ、最後はドフォーレ商会との対決にしました。それにしても………ゲームシステム上、トレードの物件って絶対倒産しないんですね………ドフォーレ商会を倒産させたくてもシステム上できないという………
仲間になるパーティーメンバー勢ぞろい。しかしハリードとティベリウスが鉢合わせするとマズイので、バイメイニャンに一役買ってもらうことに。図らずもジジイとババアのやり取りができてしまった…
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