パーティーが終わるとプリムはランディを呼んでこっそり家を抜け出した。ランディは何事にも動ぜず、といった風に、彼なりにエスコートしてくれる。いつからこんなに紳士的になったろう?どこで覚えたのだろう?プリムは不思議でならなかった。

プリム「ランディ、今日は来てくれて嬉しかったわ。プレゼントもとっても気に入ったわ。ありがとう」
ランディ「僕もプリムに会えて、プレゼントも気に入ってくれて嬉しいよ」
プリム「……ねえ、ランディ」
ランディ「何?」
プリム「あなた、変ったわよねえ?」
ランディ「僕だってもうすぐ大人になるんだ。変わりもするよ」
プリム「うん、そうだけど…」

大人びていて優しく和やかな雰囲気を漂わせるランディにプリムは思わずドキッとした。彼独特の、男性としての魅力を感じる。そんなランディを見て胸の鼓動が高鳴り始めたが、なんとか平然を装って話しかける。

プリム「ねえ、あなたとパパの会話聞いちゃったんだけど」
ランディ「そうだったの?」

ランディは顔色一つ変えない。

プリム「あなたは私が他の男と結婚しても平気なの?」
ランディ「もちろんプリムが幸せなら喜んで祝福するよ」
プリム「ちょ、ちょっとランディ、あなたねえ!」
ランディ「…?何怒ってるの?」

ランディは優しく首をかしげる。

プリム「じゃあ何で私にネックレスなんかくれたのよ!」
ランディ「それはプリムが女の子だから…喜ぶと思って…」
プリム「それだけ!?本当にそれだけなの!?」
ランディ「だって女の子への誕生日プレゼントなんてそれくらいしか思いつかなかったよ」
プリム「ランディ、私、結婚してからもこのネックレス、大切に身につけるわよ?」
ランディ「ありがとう。そんなに気に入ってくれて」
プリム「だからそうじゃなくってえーー!!」
ランディ「どうしたの?プリム。僕、何か君を怒らせるようなことしてしまったかな?」
プリム「…鈍感!」

プリムは苛立ちを抑えられなかった。ランディは困惑している。だがプリムも1度恋を経験している身、今はこれ以上押すのはやめておくことにした。

プリム「ねえ、ランディ?」
ランディ「何?」
プリム「あなたの誕生日は確か来月だったわよね?」
ランディ「うん、そうだよ。村長さん以外誰も祝ってくれないけどね」
プリム「…あなたは、誕生日に何が欲しい?」
ランディ「…ん…そうだね…プリムと一緒にある場所へ行きたいな」
プリム「ある場所ってどこ?」
ランディ「四季の森だよ。ポポイの故郷だった村に行ってみたいんだ」
プリム「ランディ…」
ランディ「気のせいかな…あそこに行けばポポイに会えるような気がして…」
プリム「そう……じゃあ決まりね!あなたの誕生日は一緒に四季の森へ行きましょう!約束よ!」
ランディ「うん、約束だよ」





ランディと別れた後、プリムの心中は複雑なままだった。ランディは自分が他の男と結婚しても平気なのだ。だがネックレスをプレゼントしれくれた。自分の誕生日はプリムと一緒に過ごしたいと言ってくれた。だがそれはポポイが元いた場所である。
ランディの中のプリムはまだ純粋な仲間だという意識の方が大半を占めているようだ。だが、それなりの値段のするネックレスをプレゼントしてくれたのだ。まだ見込みはある。

プリム「はあ…でもどうやってアプローチしていこうかしら…アイツ、本当に鈍そうだし」

大人びた雰囲気を纏うようにはなっても恋愛に関しては完全に鈍感である。気持ちをもっと自分に引きつけないと駄目だ。

プリム「ランディの誕生日、待ち遠しいな…」

そう言いながら、プリムはランディとの関係の進め方について思い悩むのだった。





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