ケヴィン「…う…ここは…」

照りつく太陽の日差しでケヴィンは目を覚ました。海の中でシャルロットを捕まえ、しっかりと抱きしめたまま意識を失ったのだ。シャルロットの小さな身体は無事ケヴィンの腕の中におさまっている。ケヴィンは辺りを見回した。どこかの島へ流れ着いたようである。しばらくするとシャルロットも目を覚ました。

シャルロット「ケヴィン…?シャルロットは一体どうちたでちか…?確か海に落ちて――」
ケヴィン「オイラ、シャルロットの後を追って海に飛び込んだ。シャルロット助けた。そして今この島に流れ着いた」
シャルロット「ここはどこの島でちかねえ。島と言えば火山島ブッカを思い出すでち」
ケヴィン「しばらく探検してみよう」

そこは地図に載ってない小さな無人島であり、島を1周するのにそれほど時間はかからなかった。

ケヴィン「困ったな…どうやって帰ろう?」
シャルロット「帰りたくないでち」
ケヴィン「えっ?」
シャルロット「おうちに帰ったら、またケヴィンと会っちゃダメって言われるでち。ずっとここでケヴィンと一緒に暮らしたいでち」
ケヴィン「シャルロット……………だけど、きっと仲間達も心配してるよ」
シャルロット「…………………………」

その時、聞き覚えのある鳴き声がしたと思ったらブースカブーが現れた。

ケヴィン「ブースカブー!よかった!これで帰れるぞ!」
シャルロット「………ケヴィン………」
ケヴィン「どうした、シャルロット…?」
シャルロット「ぶーすかぶーがいるからいつでも帰れるでち。だから…しばらくだけここにいたいでち。ちょっとだけでいいからケヴィンと2人きりでいたいでち」
ケヴィン「シャルロット…」

ブースカブーは浜辺付近をバシャバシャと移動しながら時間を潰していた。その間、ケヴィンとシャルロットは浜辺で砂遊びをした。2人で砂の山を作り、中に水を流す。崩れないよう、しっかりと固める。一通り遊び終えると2人は浜辺で横に並んで座った。ケヴィンは腕を回してシャルロットの身体を引き寄せた。

シャルロット「今日はいいお天気でちねえ。昨日の嵐が嘘のようでち」
ケヴィン「うん、そうだな。ぽかぽかしててあったかい」
シャルロット「シャルロット、お昼寝したいでち。ケヴィン、一緒にここでひなたぼっこしておねんねするでち」
ケヴィン「シャルロット」
シャルロット「なんでちか?」
ケヴィン「好きだよ」

そう言うと、ケヴィンはシャルロットを思いっきり抱きしめた。そのまま2人横に倒れる。

シャルロット「ケヴィン…」

2人はしっかりと抱き合ったまま眠りについた。



ケヴィンとシャルロットが眠っている間にブースカブーはホークアイ達の元へ戻った。そして彼らを乗せてまた島に戻ってきたのである。その頃にはもう日が傾き始めていた。2人ひしと抱き合い、無垢な寝顔のケヴィンとシャルロット。彼らは人の気配で目を覚ました。

ケヴィン「あ、みんな…」



結局2人は仲間と共に帰ることにした。シャルロットはこのままかけおちという形で島に留まりたいと思ったが、小さな小さな無人島では暮らし続けるのは無理があった。その後、再び過ぎゆくもどかしい日々。ケヴィンはビーストキングダムで1人もの思いにふけることが多くなった。
ある日、獣人の1人、フレディがケヴィンの元にやってきた。

フレディ「罰ゲームに当たっちまうとはついてねえなあ。ま、ケヴィンののろけ話聞けると思えばいいか」

近くでは他の獣人達が陰に隠れている。

ケヴィン「フレディ?どうした」
フレディ「ケヴィン、実はな、俺達みんな、この間から気になって気になって仕方がないことがあるんだ」
ケヴィン「何だ?」
フレディ「おまえ、好きな女いただろ?その…彼女とはどこまで進んだ?」
ケヴィン「進んだ?」
フレディ「キスくらいしたんだろ?」
ケヴィン「あ、シャルロットがオイラのほっぺにチュって」
フレディ「ちょっと待て!口ではしてないのか?」
ケヴィン「うん、まだ」
フレディ「2人っきりだった時いくらでもあったんだろ?何もしてないのか?」
ケヴィン「最後に会った時は抱きしめて一緒に寝た」
フレディ「何っ!じゃあ、おまえ………やったのか?」
ケヴィン「何を?」
フレディ「何って…そんな野暮なこと聞くなよ。抱きしめてからやることっていったら、アレだろ?」
ケヴィン「?抱き合って一緒に寝た。気持ちよかった」
フレディ「おいおい、まさか抱きしめただけで他に何にもしてないなんてことはないだろうな?」
ケヴィン「何もしてない。それがどうかしたか?」


・・・・・・・・・・


その後しばらくの沈黙の後、獣人達は一斉に物陰から出てきた。

ケヴィン「わっ!みんなそろってどうした!」
獣人達「ケヴィン!おまえってやつは!俺達いっぱい教えただろ?アドバイスしただろ?おまえは一体何を聞いていたんだーーー!!!!!」
ケヴィン「何、怒ってるんだ?????」

その後ケヴィンは獣人達に散々説教されたがあまり意味がわかっていなかった。





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