先の遠近による色の変化の実験では50mの差でしかなかったけど、実際の屋外写生では 
  もっと距離の離れた広大な景色を描く場合が多いと思います。その場合、遠近による明度、
 彩度の差はさらに大きくなります。 そしてそれを、しっかり絵に取り入れることにより、遠近感
 のある立体的な絵になります。

 特に山の風景では何十Kmも離れている場合が多いので、それに応じた大きな色差が必要です。
 そこでイメージ図として画像処理のソフトを使って山の近景、中景、遠景をパソコンで描いてみました。
 画像修正の方法として、先ず最初は近景、中景、遠景のいずれの山も近景と同じ色としました。
 そして中景の山ではそこから、空気遠近方の特徴である ①コントラスト低下(明度アップ)、
 ②彩度低下、③ぼかし(フォーカスの低下)、④青色のフィルターをかける、の4点の画像処理
 を行いました。 続いて遠景の山ではその4点の処理をさらに強めました。

 この結果、下図の通り我々がこれまで出会った経験の風景に近いものが得られたと思います。
 逆にいえば遠方の景色はその4点の影響を強く受けていることを示しています。

    
            
                                 図34 山の遠近(イメージ図)

                                                     
















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